| 2002年 5月 19日(日) |
子留婦
子留婦は ゴルフと読んでください。
「おれ ちょっとゴルフの練習行ってくるわ」「ああ いってらっしゃ〜い」
亭主元気で 留守がいい私が こんな風に思えるようになったのは つい最近です。
おとうちゃんは 子煩悩な人ではありませんでした。
子供が生まれたからといって 自分のペースをかえる人ではありませんでした。
みけ君が生まれたばかりの夏 隣近所がみんな家族で海やプールに行くというので 私は
とら君をプールにでも連れて行ってあげてとおとうちゃんに頼みました。でも「いやだ」と言うのです。
なんか意地になった私は とら君を連れてプールに行ったのですが 肝心のとら君は全然喜びません。よその子は 滑り台滑ったりはしゃぎまわったりしているのに とら君はボーとしています。とら君は 公園でもどこでもそんな子でした。
私は せっかく連れてきたのにという思いと よその家族連れの楽しそうな様子に 涙がこぼれてしまいました。おまけにプールで冷やしたのが悪かったのか 母乳まで止まってしまいました。
あまり家庭的でないご主人をお持ちのかた どうか私のように自分が父親の分まで がんばろうと思わないでください。父親抜きで 遊園地でも行って それが楽しいなら何も言うことはありませんが 私のような悲しい思いをするのなら 行かないほうがましです。
子供が行きだがって仕方ないなら ボランティアさんなり おばあちゃんなりに協力してもらってください。なにもかも じぶんひとりで 抱え込まないで。
私が これを書いているのは 夫への恨みじゃありません。
私のような 悲しい思いをもう誰にもして欲しくないのです。
こんなおとうちゃんですが とら君の障がいが告げられたあたりから 狂ったようにゴルフにのめりこみました。まさに狂っていました。
クラブを何本も買う 土・日は コンペか練習。平日でも 仕事を終わって練習。
それ以外のときは 自分の部屋にカギをかけて閉じこもって 私も 子供も締め出してしまいます。
子供たちの 障がいのこと 療育のこと 話し合いたいことは山ほどあったのに…
ある日は 子供たちと家に残されるのに耐えられなかった私が 子供たちと強引に 練習場について行ったこともあります。ゴルフ練習場に 乳母車を押した女。
さぞ異様な 光景だったでしょう。
また ある日は 夫がゴルフの練習に行ってしまったので 私も子供たちと散歩に出かけました。ところが 練習場が満員かなんかで 夫は早く帰宅したのですね。
でも 家にカギがかかって入れない。激怒した夫は私を…以下自主規制。
当時 私は おとうちゃんがゴルフに行く日をカレンダーに書くのに 恨みを込めて「子留婦」と書きました。だって 子供たちと私はお留守番ですもの。
こんな日がずうっと続きました。療育の先生にも 何度も言われました。
「お宅は おかあさんががんばりすぎ。 おとうさんも育児に巻き込みなさい」
だけど 私のアタマじゃ 論理的に「こうこうで こうだから だからあなたも育児に参加しなさい」なんて 言うことはできません。
それに 私は 自分の心が拒否することを力でねじ伏せたりしたりされるのはたまりません。
だから 逆におとうちゃんの心が拒否することを 私が力づくでどうこうすることはできませんんでした。
心が 拒否するといえば おとうちゃんは とら君の幼稚園年中の運動会のすさまじいパニックを見てから 子供たちの運動会も学校行事も 一切来てくれなくなりました。
運動会で パニック起こす我が子を見つめるのも 私一人でしたし みけ君の小学校の卒業式に
障がい児学級の子で父親が参加していないのは うちだけでした。
皆様ご存知 執念深い私ですから 恨みは深く深く潜行していたのですが。
ふとしたことから PCをはじめ おとうさんたちの作ったHPや 掲示板の書き込みを読んで 目から特大のうろこが ポロリと落ちました。おとうちゃんも 苦しんでいたんだ!!!
お前 今まで そんなことも気がつかなかったのか?とおっしゃるでしょうが はい まったく思い至りませんでした。
そうか そうだよなぁ。おとうちゃんにだって 私と同じで 我が子に託した夢や希望がたくさんあったろうに それをあきらめなきゃいけなかったんだものね。
だけど なんぼ夫婦でも「あなたも 苦しんでいたのねぇ」なんて こっぱずかしいこと 言えるわけないじゃん。
ただ 恨みはすっかり氷解して おとうちゃんにも優しい気持ちになることができました。
ネットで知り合ったおとうさんたちに感謝です。
ところが こういう私の心の変化というのは 相手にも伝わるものなのでしょうか。
去年の10月 障がい児の運動会にどうせ来るわけないわと思いながら 「買ったばかりの10倍ズームのデジカメ使うチャンスだよ」と 冗談半分に誘ってみたのです。そしたら「そうだな。行くか」えっ おとうちやんが 運動会来てくれるなんて 10年ぶりくらいでは…
そして それから 子供たちの入・卒業式 スポーツ大会 全部参加してくれるようになりました。
なんなんだ!!! この変化はっ。
夜中に PCしているから アダルトでも見てるんだろと思っていたけど もしかしておとうさんのHPめぐりでもしていたのかしら。
それはそうと 上に子供たちに託した夢や希望をあきらめたと書きましたが なにをあきらめたかは また別の日にきいていただくとして 「子供たちが障がい児じゃなかったら 私は
○○ができたのに…」と思ったことは 一回もありません。
子供たちが 健常児でも 私は ラーメン食べて ミステリーとまんが読んで ぐーたら生きていたでしょう。
PCは 逆にしていなかったでしょうね。「インターネット? アタシには必要ないわ」って。
この点だけは おとうちゃんにきいてみたかったのできいてみました。
「ねぇ おとうちゃん 子供たちが障がい児じゃなかったら したかったことってある?」
そうしたら おとうちゃんきっぱりと「ないな」
おぉ〜 色々不満はあるが…あっちにもこっちに不満はたんとあるでしょう(笑) その点は
気があうじゃんか。
それとも 子供の障がいをものともせず ゴーイング マイウエイの ジコチュー夫婦か。
なんか 後者のような気がするが…(笑)
今日も 読んでくださってありがとう。