2003年 6月 25日(水)

遅刻の誕生 を読む

遅刻の誕生 を読む
橋本毅彦・栗山茂久 氏 編
三元社



タイトルのやもすれば「お笑い」かと思いきや、内容は日本人が如何に寺の鐘でしか時間を認知できないその時間感覚から世界一といえる時間に対して正確に反応するようになったのか(英語でいうとpunctualityと言うらしい)、ということをいろいろな文献で説明している。
明治時代以降の労働体系に時間の観念は深く結びついており、それは大正時代に掛かると明治時代(工場や役所での仕事管理される、所謂「上から下への」時間遵守でなく)とは違って道徳的に自分で律していく自己管理としての時間遵守へ行き、それが日本人の勤勉性をもって戦後の経済復興を成し遂げた一因にもなったというまことに興味深い内容だった。本の中でのエピソードも多数興味深いものもあり、1章・2章なんかは「国鉄の歴史」といってもいいくらい専門的な中身だ。