| 2003年 10月 29日(水) |
隣の犬でペットアレルギー
ある方からメールの質問が来た。
その方の実家では雑種の犬を外飼いしていた。ある日お隣の方がやってきて「うちの子供がペットアレルギーになったので、お宅の犬をどこかへやってほしい」と言ったそうだ。
その子供は犬嫌いなので犬に近づくこともないしもちろん撫でることもない、ご実家では抜け毛の季節には毛が飛ばないよう念入りに掃除をしていた。なのにある日突然犬をどうにかしてくれとお隣から言われたわけである。そして泣く泣くその犬をメールの発信者のお婆様のおうちに転居させることにした。そして私への質問は「住み慣れた家から違う環境へ移される犬がかわいそう。外で飼っている隣の家の犬で本当にペットアレルギーになるのでしょうか?」というものだった。。
私にはその犬がどのくらいの大きさで、どのくらい毛が抜けて、お隣との距離はどのくらいで、どのくらい風が吹く地域なのか、なにも判断の材料がない。そしてそもそもそのペットアレルギーになったという子供のがきちんとしてアレルギー検査をしたのかどうか、そして症状すらわからない。
だから「可能性はゼロではない。けれどもし犬が唯一の原因ならば、犬がいなくなれば2週間ほどで症状が消えるでしょう。消えなければほかのアレルギーが考えられます」というような返事をした。
私はペットアレルギーについて社会がもっと認識を深めてほしいと思っている。しかしアレルギーの原因をなんでもかんでもペットの押し付けるのは間違っていると思う。ペットはキッカケでありアレルギーの真の原因ではない。
詳しいことがわからないのでうかつなことは言えないが、仮にその犬の毛がいくらかお隣のうちに飛んでいったとしても、それだけが原因で恒常的なアレルギー症状を引き起こすとはちょっと考えにくい。苦情を言ってきたお隣のうちではすべてのアレルゲン検査をしてハウスダスト、花粉、食べ物ほかペット以外のアレルゲンでは陰性、犬のみ陽性という結果を持っているのだろうか?
ペットアレルギーに関して認識が高まるのはうれしいが、犯人探しみたいな形でペットアレルギーが利用されるのはイヤだ。ハッキリ言って治療に携わる医者でさえ、本当にアレルギーのことがわかっている人は少ない。アトピーの患者がきて「隣で犬を飼っているんです」といえば「ではその犬が原因でしょう」みたいな安易なことを言ってほしくない。
アレルギー患者の数が増加する一方の現代、これから先、こういったケースがどんどん増えてくるかもしれない。そうなるとペットアレルギーでない犬の飼い主も他人事では済まなくなる。アレルギーに関して冷静で正しい認識と対応がなされることを願うばかりだ。