| 2004年 10月 7日(木) |
新検疫制度
鎌倉のカフェにいた看板犬のシンタロウくん。
11月6日から日本の検疫制度が変わる。主にアジアで急増する狂犬病被害を懸念して、なんとしても日本に狂犬病を入れないためだ。ATを輸入するかもしれない立場の私としては、なるべく詳しいことが知りたい。その説明会があるというのででかけていった。
場所は港区にある「共用会議所」。その名称からちょっとしたビルを思い浮かべていたのだが、行ってみたらとんでもない、ホテル顔負けの建物。どうも外務省とか他の役所が公用で使うところみたい。
大理石の床、フカフカの絨毯、大きな絵画、見上げるような生け花、緑鮮やかな中庭、これって税金でできたんだよね〜。ちょっとイジけてしまった。
さて肝心の新検疫制度、予想以上の厳しさだ。まずペットにマイクロチップを挿入して個体識別をし、それから狂犬病ワクチンを打つ。一ヶ月以上経ってもう一度。その後狂犬病の抗体が基準以上できているかどうか血液検査。血液検査をする機関は農水省が指定したところのみ。基準値以上であれば、採血した日から6ヶ月以上経って初めて日本に入国できる。
以前と大きく違うのはこうした手続きをきちんとしていれば、即日解放されるということだ。今まで2週間の係留が義務付けられていたことを考えると、一見便利になるような気がする。でも一歩間違えたら180日の係留だ。成田に着いて180日と言われたら私なら気が狂う。
そして実際にかなりの問題点が露呈していて、参加していた獣医からも疑問点がなげかけられた。その中で私が一番懸念するのは抗体値についてだ。
抗体というのはワクチンを打ったからといって全員きちんと抗体値が上がるわけではない。特に老犬になると免疫機能の衰えからなかなか上がらないようだ。今の世の中、ペットを連れた海外転勤族が多い。仮に5歳の犬を連れて海外に転勤になり現地に5年居たとする。その間、きちんとワクチンを打ちもちろん他の犬に噛まれるようなこともなかった。
帰国に備えて抗体検査をする。抗体値が上がらない。またワクチンを打つ。でも上がらない。そんなとき飼い主はどうすればいいのだろう?永遠にそのペットは日本に帰れないではないか。
そのほかにも、すでに法律が公布されたにもかかわらず決まっていないこと、準備ができていないことが多すぎる。そりゃ私だって狂犬病は防いでほしい。しかし今回の検疫制度にはコンパニオンアニマル、人生の伴侶という視点がほとんどない。盲導犬、災害救助犬に対する配慮もあまりない。
狂犬病を防ぐためとはいえ、商売で素性のわからない犬を大量に輸入する場合と、長年連れ添ったペットを同等に扱ってほしくはないというのが正直な感想だ。といってももう走り出した法律、変える気はお役所には全然ないんだろうな〜。かなり疲れた一日だった。