| 2005年 7月 30日(土) |
代替私案
マクドナルド進出計画反対という私の主張に対し、いろいろな意見をいただいております。鋭い指摘も多く勉強になります。
私がマクドナルド進出に反対なのは、決定過程の不透明性や非常識な出費、ファーストフード一般にまつわる問題等があるからです。前二者の問題がなければ、ファーストフード導入も「あり」なのではないか、という意見をお持ちの方もおられるようですが、すでに書きましたとおり、ファーストフード導入にはやはり問題があると私は思っています。ファーストフードならびにファーストフード産業そのものの問題が一つ(このあたりは、これも前に挙げましたエリック・シュローサー『ファストフードが世界を食いつくす』草思社、2001年刊、などを一読いただければ幸いです)、そして、それと関連しますが、わが大学がファーストフードを導入することの問題があります。
地域政策学部における地域主義の理念は、今や「中央とのパイプ」論を前に風前の灯火の感がありますが、それでもその理念には、「生体反応」があると思っています。必ずしも陽の当たらないところで奮闘されている方々の努力を知っているからです。地産地消、スローフード、地域づくり、循環型共生社会。どれも立派な考え方です。私も賛同します。この本学において地域主義を名実ともに確立しようとするとき、マクドナルドをはじめとするファーストフードは足を引っ張るものにしかならないだろうと思います。ファーストフードの店ぐらい、もはやいろいろな大学にあるではないかとおっしゃる方もいるでしょう。でも他大学の事例はあくまでも他大学の事例です。地域主義にこだわる大学には、食堂の混雑に対応するにも、それなりの代替的戦略があって然るべきだと思います。同じように俗流化する必要はないでしょう。
昼食時の食堂の混雑という問題。これは大学が責任を持って解決せねばならない大問題なのですが、まずは問題状況のおさらいをします。増える、増えるという学生数ですが、いったいどれぐらい増えるのでしょうか。
来年の4月には、この前、新しく作られた「地域づくり学科」が完成年度を迎えます(1年から4年まで揃うというわけです)。地域づくり学科増に伴う来年4月の純増分が120名です。そして、またまた新しく作られる観光政策学科。これが1学年120名です。ですから、来年は単純に今年よりも240名増えます。来年4月からは経済学部(経済学科・経営学科)の定員は480名、地域政策学部(地域政策学科・地域づくり学科・観光政策学科)の定員は420名となります(地域政策学部ができた頃は180名定員でしたから、すごい勢いでの定員増です)。観光政策学科の学年進行に伴い2年後、3年後、4年後と120名ずつ増えていきます(経済学部でも定員増を伴う学科増が検討されています)。これが学生数増大の実態です。
手狭なのは食堂だけではありません。教室もいっぱい・いっぱいです。教員のわがままを割り引いて考えても、時間割を組むのが大変難しくなっています。これに対し、大学も手をこまねいているわけではなく、食堂と教室を含む新棟の建設を計画しています(何の理念も思想もない建物にはしてほしくないのですが。校舎の理念・思想について詳しくは後日また)。場所は6号館の横というか、2号館の裏というか、現在は職員の駐車場として利用されているスペースに新棟が建設される予定です。鉄筋コンクリートの5階建て。延床面積は5000平方メートル。1階が食堂(座席数約500)、2階がラウンジ、3階〜5階が教室という造りだそうです。概算費用は13億5000万円です。ラウンジが不要(他にもいっぱいあるし)のような気がしますが、何よりも問題は完成の時期です。
平成18年度は設計委託の時期。建設工事期間が平成19年度〜20年度。つまり新棟が完成し、食堂が利用できるようになるのが平成21年度ということになります。遅すぎるわけです(もっと早くならんのでしょうか?高崎の業者で無理なら、1年間で建ててくれる業者を見つければいいのに、と思ってしまいます。工事期間1年というのは無理なのでしょうか?)。来年4月から3年間(工事期間を短くできれば2年間ということになるのでしょうが、やっぱり無理?)は、新しい食堂は使えません(でも平成21年度からは確実に使えるという点も頭の中に置いておかなくてはなりません)。さあ、どうしよう、というわけです。どこかで決まった「対応策」がマクドナルド出店です。2000万円使って。
以下は、あんまり詳しく展開できませんが、私の考える代替案。
第1に、昼休み時間を1時間に延長すること。これは、マクド問題とは別に、ずいぶん前から主張してきたのですが、事ここに至れば、真剣に検討すべきだと思います。赴任後、つい最近まで昼休みは30分でした。授業の合間の休み時間は5分。昼休みは10分延長され40分となり、休み時間も10分になりましたが、昼休みはまだまだ短い。これを1時間にすれば同じ食堂施設でも「回転率」を上げることはできるのではないか。また、昼休み時間が延びることで学生にも様々な対応策をとる「時間的余裕」ができるのではないか(下宿に戻って昨日の残り物を食べることもできる。近くにはコンビニが2軒ある。総菜や揚げ物を売っている土屋精肉店もある。からさき食堂にも行けるぞ!そう、それでもあえて食いたい人には、数百メートル先に、あのマクドナルドだってある!)
障害となるのは、教員の都合でしょうか。現在の延長措置でも、始業時間を15分早めることが必要となり、そうしたわけですが、たった15分早めただけで文句を言う教員がいまだにいます。遠くから通ってくる教員にとってはきつい、と。あと20分昼休みを延長するとなると、今度は終業時間の方を遅くせねばならなくなります。学部の5限目の終了時間が午後5時50分となると、帰る時間が遅くなるという人が出てくるでしょうし、大学院の授業開始が遅くなる(結果的に帰る時間が遅くなる)という人が出てくるでしょう。私からすれば、合掌しながら見送りたいタイプの方々ですが、「昼休み1時間化」には、これら教員側の都合が最大のネックとなるような気がします(どこに住もうと自由だけれど、どこに住んでいようが本務校の仕事・学事日程・時間割が最優先されるなんてあたりまえ。遠距離通勤がつらけりゃ、近くに住めばよいだけのこと。様々な理由はあるにせよ、そしてそれぞれの理由は尊重されるべきではあれ、自分の都合で遠くに住んでいる遠距離通勤の教員に学事日程や時間割を合わせるなんて本末転倒!)。
第2に、生協の現有食堂施設を最大限に利用する。先日書きましたとおり、生協でも対応策を講じようとしています。座席の利用率の面では3階はまだまだ余裕があります。学生さんを3階まで呼び込むために、これまで出せなかったパスタを出す、そのために70〜80万かけて新たな設備を導入する、という計画を生協の方々にお聞きしました。
第3に、弁当販売の強化。これは一部実施済みで、4月、5月の時期に「たかべん」が入ってきたことがあります。
食堂を経営する民間業者がなぜ大学に入りたがらないのか(あるいは、今回マクドが営利企業として、出店に際し、テナント料を払うどころか、なぜ3000万も要求しているのか)。それは、大学には繁忙期と閑散期があり、閑散期に利益を上げるのは難しいからです。繁忙期はせいぜい年間180日。理系の学部があり、教員・院生の多い大規模総合大学ならともかく、本学は文系学部中心の大学(そう、一部の先生がどれだけ力んでも、ここは学部の大学。学部がこければ終わり)ですから、長期休業中の売上はがくんと落ちます。民間企業が自らのリスクで、経済ベースで出店するのは非常に難しいのです。
だからこそ、生協食堂があるわけです。ただ新食堂は、来年4月から3年間は使えない(くどいようだけど、あの規模の建物を造る期間を2年間に短縮できませんか?)。が、しかし3年後には使えるようになります。ですから、4月からの3年間の対策としては、非常識な金の使い方をせず、「いかにつなぐか」というのがポイントになるでしょう。ベストなものはないんです。「トップの不作為」により、対応策が遅れに遅れていまいましたから。そのなかでベターなものを目指す必要があります。弁当販売の強化は、そのベターな策の一つだと思います。生協はギリギリの供給体制ですから、弁当製造は増やせて、あと50〜100食。ただし、今でも完売という状況ではないので、6号館付近でも販売をする、今のところ生協1階購買部内でしか売っていない割安のドリンクを弁当販売所でも買えるようにする、などの対応策を考えておられるようです。
弁当販売に外部業者を入れるのも手です。「たかべん」に1年間を通じて入ってきてもらうもよし。あるいは、1食400円、100食、年間180日販売できる地域の業者を募るのもよし。いるんじゃないですかね、こういう業者。しかもできるだけ地域の食材を使った弁当。400円じゃ出せない、というなら、こういうところに後援会が補助を出せばどうなんでしょう。1食100円の補助を出してもらい、弁当は400円のまま(業者には1食分100円が余計に入る)。1食100円の補助金が100食分、年間180日の3年間。これだと3年間の補助金の合計は、540万円。2000万円よりもはるかに安い!しかも、あとの処理が面倒な、余計なインフラは残らない(余計なインフラを作りたい人がいるんでしょうかねえ。金儲けのために)。コーヒーハウスは残る。
そして、第4に、そのコーヒーハウス。今回の計画で大きな問題の一つとなっているのは、コーヒーハウスをつぶしてマクド、という点です。これだと、これまでコーヒーハウスが担ってきた役割との差し引きになってしまうので、混雑対応能力の「純増」分はわずかなものになってしまうでしょう(ゴミの散乱は今より確実に増えるでしょうね)。コーヒーハウスは今までどおり、残してもらいましょうよ。独自の機能を果たしていることだし。学生が気軽に入れる喫茶店、近所にないんですもん。ただし、昼飯時に限らず、もう少し使いやすくしてもらいたい。
もともとああいう施設を作るにあたっては、いろいろな議論があったそうです。財団法人高崎経済大学後援会の施設とはいえ、一応外部の団体が所有・管理・運営するものですから。そのとき、開設の理由の一つとして挙げられたのが、宿泊する先生方、あるいは学生諸君に、「朝食を提供する」という役割だったそうです。始業前にモーニング・サービスを、というわけです。でも今はどうでしょう。始業時間は8時50分。コーヒーハウスの営業は9時から。しかも、マクド進出を念頭に静かなる撤退・衰退プロセスを演出しているのか、今やモーニングセットは、人員不足を理由に出されていません。そう、あの野菜サラダ大盛りも!
今の経営陣で運営できないなら、運営できる人を、地縁・血縁、その他のコネに限らず、幅広く募ってみてはどうでしょうか。パートやアルバイトを使いつつ、結構うまくやってくれる人はいるのではないでしょうか。あるいは、「○○剤本舗」などを街中でやるのも結構だけれど、コーヒーハウスのような身近な施設を運営してくれる学生団体はないでしょうか。これも募ってみれば、意外と担い手は見つかるのではないでしょうか。有能で元気な学生諸君は、地域政策学部にも、経済学部にも大勢います。
以上、おおざっぱな案ですが、こんな感じで3年間つないでいくことはできないでしょうか。マクドナルド計画よりこちらの方が非現実的でしょうか。私には、余計なコストのかからない、よほど現実的な案であるように思えるのですが。思いつきの考えを大急ぎで書き連ねたもので、不十分な点も多いと思いますが、皆さんのご意見をお待ちしております。いろいろとご議論ください。
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