| 2005年 9月 9日(金) |
財団法人高崎経済大学後援会
マクド問題の中心に位置する高崎経済大学後援会。これはいったいどのような組織なのでしょうか。
高崎経済大学後援会には50年近い歴史があります。高崎市立短大が「廃止」され、4年制の高崎経済大学が「新設」された1957年の7月22日、後援会はできました(高崎経済大学は短大が4年制大学に「昇格」したのではありません。短大が「廃止」され、4年制大学が「新設」されたのです。誰がお書きになったのか知りませんが、この点、『たかけい学報』73号、2005年夏号、22頁の記述を訂正しておきます。実際、短大から新設大学に移れた教員は、ほんの数名です。何が起こったか、お分かりいただけるでしょう)。
その後、1960年10月7日、民法第34条(公益法人の設立)「祭祀、宗教、慈善、学術、技芸其他公益に関する社団又は財団にして営利を目的とせさるものは主務官庁の許可を得て之を法人と為すことを得」に基づき、文部大臣から設立許可を得て「財団法人」となりました。財団法人としての歴史は45年におよび、歴史の長さでは、大正時代からある一橋大学の「如水会」には及ばないものの、「神戸大学六甲台後援会」にはひけをとりません。文部科学省認可の財団法人としては老舗なのです。何度も書いてきたように、財団法人である以上、その「寄附行為」に則って管理・運営されねばなりません。後援会にとって「寄附行為」は、いわば「憲法」なのです。これが守られているかどうか、非常に重要です。
「大学の施設・設備及び教育研究活動を助成することによって大学教育の充実発展に寄与すること」を目的とする財団法人高崎経済大学後援会の最初の大事業は、現在の場所に大学を移転する際の用地確保、本館、体育館、教室棟建設工事を高崎市と共同で行なうことでした。市の一般会計予算中、教育費が2億4000万の時代、1億7000万にのぼる費用を高崎市が負担することはできません(高崎経済大学予算は現在に至るまで、高崎市の「一般会計」のなかでまかなわれています。高崎経済大学の「特別会計」が組まれているわけではありません。この基本的事実を知らないために、おかしな議論をする人が専任教員にもいて困ります)。後援会が融資を受け、市が後援会に補助を行なうという形で事業が進められたそうです。1億7000万は、財団法人としての初代理事長S氏が個人保証の形で借り入れなければなりませんでした。創成期というのは、いろいろと大変なことがあるものです。入学生から後援会費として寄付をとるようになったのも、借入金の返済財源に充てることが始まりのようです。
その後、後援会は、新入生からの寄付金や市の補助を受けつつ、大学内の様々な施設、福利厚生施設等の建設を行なってきたほか、現在では、学生のクラブ・サークル活動の支援、ゼミをはじめとする教育活動、教員の研究活動の補助、出版助成なども行なうようになっています。
さらっと書いてしまえば、後援会の歴史はこれだけだし、大学にとってきわめて有益な組織と思われるでしょう。実際に有益だったと思います。後援会があったがゆえに、ここまでの大学になったと言える面もあるでしょう。でも、そんなよい面ばかりではありません。
前も書きましたが、高崎経済大学には小川プロのドキュメンタリー映画「圧殺の森」に描かれているように暗い歴史があります。不正入学阻止闘争(1965年4月)や私学化阻止闘争(1965年8月〜9月)、聴講生本科編入問題(1965年末〜1966年初)といった、高崎市・大学当局と学生との衝突、その紛糾の歴史です。その後は安保問題も絡み、全国のいろいろな大学同様に学生運動が激化していきました。そのなかでは、後援会も標的になりました。おそらくはその支出に疑問が持たれたのか、学生たちが入学時における後援会費一括徴収に反対しました。
こうした歴史的経緯もあり、後援会費は、それまで7万円台だったものが、70年代末には、2万円になり、市が独自にいろいろなことをやるようになっていました。ところがその後、後援会費は再び上がりだします。81年度入学生は4万円、84年度入学生からは5万円、そして88年度からはグンと値上がりし7万5000円。これが現在まで続いています。この間、理事長は、初代S氏(1960年10月7日〜1973年3月31日)2代目T氏(1973年3月31日〜1978年7月24日)、3代目M氏(現高崎市長)(1978年7月24日〜1988年6月27日)、と続き、4代目が現理事長のY氏です(1988年6月27日〜現在)。現在の理事長は18年もの間、その職にあるのです。
後援会の議事録の閲覧は認められませんでしたが、今年度の後援会支部総会の資料は何とか手にしました。そこには後援会の役員名簿のほか、興味深いいろいろな資料がありました。
後援会の理事・評議員会は、現在、理事15名(理事長含む)、監事3名、評議員20名から構成されています。「寄附行為」15条にあるように、理事、監事は評議員会で評議員のなかから選ばれ、理事になった人たちの互選で理事長1名、常務理事1名を決めます。理事には、現理事長、本学学長の他、市長、市議会議長、助役、同窓会長が名を連ねます。この他に、後援会東北・関東甲信越・東海各支部長がいます。その他の6名は、肩書きは不明ですが、分かる範囲内でいうと、前県議や卒業生がいますね。監事3名にも同窓生が入っています。評議員には、市議会副議長や教育福祉常任委員長をはじめとする高崎市議が数名、本学学生部長、経済学部長、地域政策学部長がいます。この他、後援会北海道・北陸・近畿・山陰山陽・四国・九州各支部長がいます。この他の5名はこれも肩書きは不明ですが、卒業生がいますね。上記のとおり、後援会各支部長(つまりは父兄代表)も役員に名を連ねていますが、たとえば今回問題になっている6月27日のような月曜日に集まれる人はごくわずかでしょう。結局、委任状の提出ということになるのだと思います。
非常に気になったのは、理事・評議員のなかに、大学出入りの業者が何人もいること。業者が役員になっているのか、役員になっているから業者として出入りしているのか。単なる偶然なのか。よく分かりませんが、出入りの業者が役員に名を連ねているのは事実です。
もらってきた資料には、「概要」ではよく分からなかった今年度事業計画予算もより詳しく載っています。前にも書いたように、コーヒーハウス運営費も、レンジフード等清掃委託料29万2000円の他、1058万6000円がしっかりと計上されています。1年間やる気満々で予算が作られていたわけです(予算のなかにある「工事請負費1円」という数字が気になりました。毎年同額のようですし)。マクドナルドの出店が本当に熟慮の末の決断であるとするなら、なぜこんな事業計画になっているのでしょうか。
「財政調整基金積立金」が7575万8991円もあるのに驚きましたが、よく考えれば、これは私が赴任した当初は、事業予算の中に書かれていたもの、つまり収入の欄では「前年度繰越金」として、支出の欄では「予備費」として計上されていた額とほぼ同じであるような気がします。今回のマクドナルド出店改築費用も、おそらくここから出すのではないでしょうか。年間事業予算約8800万円をいじくって2000万捻出するのは大変ですから。でも積立金から2000万出すのが「理事長一任」でいいんでしょうか。
おもしろかったのは(実は、おもしろがっていてはいけないのですが)後援会が伊香保ゴルフクラブや草津クアパークの会員権をそれぞれ2口持っていると分かったこと。噂には聞いていましたけど、えっ!これ何?っていう感じです。教員が使えるわけではない施設。もちろん、一般学生の利用には供されず。事務局に質問したところ、こういった会員権は財産としての価値もあるとかと何とか言っていましたが、そんなのあり?財産目録には載っていませんよ。事業計画を見ると、「教育研究活動助成費」の費目、その「負担金」の科目に草津クアパーク倶楽部年会費(12万6000円)、伊香保ゴルフ倶楽部年会費等(3万円)とある。「ハア〜?」(久々にマジャ登場!)教育研究活動の助成?教員も学生も使ったことないのにかあ?どうやったら使えるのか、普通の教員・学生は誰も知らないと思います。誰が使っているんでしょうか?誰のための会員権(合計1380万円)、誰のための年会費なのでしょうか?
これぐらいにしておきます。長々と書きすぎて疲れましたから。高崎経済大学後援会のことをあれこれ考えると、私のように、大きさだけはあるものの質に問題のある頭には相当こたえます。分からないことが多すぎです。そんなこんなで、こうおっしゃる先生方も学内には結構おられます。寄付金を募って施設を建てるという時代はもう終った、後援会などはもう要らない、解散だ、と。たしかに一理あります。今回のマクドナルド問題を含め、不透明と思わざるを得ないことがありすぎですから。
でも私は、財団法人高崎経済大学後援会はこれからも存続させるべきだと思っています。高崎経済大学にとって、ある意味でこれまで以上に必要な存在です。本学も今は公立ですが、この先どういった設置形態となるかは分かりません。公立のままでも、独法化したらなおさら、財団法人としての後援会は重要になるでしょう。独法化後の国立大学は、寄付金や共同研究の受け皿として、地域連携の主体として、こうした財団法人づくりに奔走しています。ところが、現時点で財団法人を認可してもらうのは至難の業です。文部科学省に認めてもらえるだけの人・金・定款・書類を揃えるのは大変なのです。本学の場合、独法化した国立大学が作りたくてしようがないものがすでにあるのです。ケガの功名とはいえ、45年もの歴史を誇る財団法人があるのです。本学はこれをうまく活用せねばなりません。新たに作るとなると大変なものが、すでにこの手にある。なんて素晴らしいことでしょうか。
しかしながら、だからこそ、現在の後援会には大改革が必要です。全員が全員とは言いません。でもほとんどの場合、自分たちの果たすべき使命、果たしうる役目が分かっているとは思えない人たちが役員になり、金を動かしていたのでは、非効率なだけではなく危なっかしくてしようがない。私などにはそう思えます。
まずは役員の選出方法あたりから変えるべきでしょう。どうやれば変えられるでしょうかね、具体的に。難しい問題はいろいろとあるでしょうが、少なくても、後援会理事長の任期をきちんと区切ることは最低限必要だと思います。1人が長くやれば、誰がやっても組織はよどむ。18年なんてありえない。任期は4年か5年。それ以上の再任はなし。だらだらとやっているから新しい発想も生まれなくなるし、金の使い方も分からなくなるのではないでしょうか。財団法人高崎経済大学後援会は、これから先、文字どおり、高崎経済大学にとって非常に大きな助けとなりうる組織です。ここの組織改革を行なうだけで、高崎経済大学の今後はかなり明るくなるでしょう。後援会にできることは数多くありますから。
もう一つ、任期をきちんと区切るべき職。それは言わずと知れた高崎経済大学の学長職。2年任期ですが、何回でも再任可。選挙に当選すれば、極端な話、死ぬまで学長ができます。これも任期を区切るべき。任期4年。再任された場合はあと2年。これでおしまい。最長6年。いろいろな意見はあるかもしれませんが、創立以後50年に満たない大学で、1人が14年も学長をやっているなんてそれだけでおかしいと私は思います。次期学長には、学長任期の改革を是非やっていただきたい。後援会理事長と学長の任期の改革。これやるだけで、高崎経済大学は大きく変わります。
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