| 2016年 3月 3日(木) |
『圧殺の森』DVD化
私は1991年4月、高崎経済大学に赴任しました。この3月で25年目のシーズンが終了します。四半世紀です。早いものです。
1991年11月2日、当時はまだ新聞会という組織があり、そこが音頭を取った学祭企画だったと思うのですが、『圧殺の森―高崎経済大学闘争の記録』(小川伸介監督、1967年)の上映会が現在の5号館(当時は大講義室)でありました。上映会だけではなく、「関係者」の講演会もセットになっていて、映画の背景となった歴史的事実に関する「資料」も配られました。近くの席には体育担当だった故S先生もおられました。
高経大に関する赴任前の情報源(?)としては、学部時代、低開発経済論担当のS先生のゼミとの討論会があります。1983年、東北学院大学で行われたインターゼミナール大会でのことです。この討論会を通じ、高経大には勉強熱心でまじめな学生が多いなという印象を持ちました。討論の後の飲み会も楽しかったですね(H君はどうしているでしょうか。彼の名前だけはなぜか今でも覚えています)。当時はその後、自分が高経大に就職するなどとは夢にも思っていませんでした。
もうひとつ気になっていたのが、『圧殺の森』です。高経大闘争を扱った有名なドキュメンタリーということは知っていたのですが、観たことはありませんでした。観る機会があればと思っていたので、赴任後、上映会があると知り、大講義室に足を運んだわけです。上映会後の「関係者」の講演も生々しいもので、映画の内容と合わせ、不正入学や大学の非民主的運営、市当局の横暴、私学化の動き等、闘争時の若者が何に怒っていたのか、よくわかりました。
『圧殺の森』は、高崎経済大学の関係者(特に専任教員)であれば、ぜひ観ておかなくてはならない内容だと思っていたのですが、簡単に入手したり、上映できたりする媒体は存在しませんでした。それがこのたびDVD化されることになったようです。アマゾンに広告が出ています。2016年6月2日販売予定です(販売元ディメンション)。
2017年、高崎経済大学は創立60周年を迎えます。長い歴史の中ではいろいろなことがありました(60年のうち26年間には自分も関わるということになります)。ドキュメンタリー『圧殺の森』で描かれた内容は、本学の歴史の中で封印してはならないですし、大学内外の環境、時代が変わったとはいえ、本学での教育、研究、大学運営に関わるものは忘れてはならないものです。
今年度の広報室運営会議の中で、60周年に向けてどんな企画が考えられるかという問いを投げかけたことがあります。その中で、「個人的提案・試案」として挙げたのが、『圧殺の森』のDVD化です。上記のような趣旨から、60周年記念事業のひとつとしてありえるのではないかと思ったのです(今年度、イギリスで在外研究中のK先生と出発前、そんなことについて、立ち話的に意見交換したこともあります)。予算その他を含め、現実的にはなかなか難しいのは分かっていたのですが、若手も多い運営会議の中で、ひとつの問題提起を行い、このテーマを次代につなげようと思ったのです。会議資料として、91年の上映会当時配られた資料や『朝日ジャーナル』の「シリーズ300万人の大学―第120回 高崎経済大学」(1981年9月4日号)、遠山茂樹「公立大学の理想に帰れ―都留・高崎大学事件の教訓」(『遠山茂樹著作集第7巻』岩波書店、1992年)などを配布しました。
問題提起以上の意味はなく、それで終わっていたのですが、本学が動く前に、DVD化が決まりました。それだけ小川プロのドキュメンタリー映画のDVD化を待ち望む声が多かったということです(小川伸介のドキュメンタリー手法は、その後、大島渚、原一男、是枝裕和、想田和弘らに影響を与えたと言われています)。小川プロのドキュメンタリー全20作品のDVD化第一弾3作品のひとつが『圧殺の森』です(他は『青年の海―四人の通信教育生たち』『現認報告書―羽田闘争の記録』)。「奇跡のDVD化」とも言われる企画の第一弾に入っていることからも、この作品がどれだけ秀逸であったかが分かります。
60周年を来年に控える今年、『圧殺の森』がDVD化される。高経大の歴史を振り返り、今後を見据える良いきっかけになればと思います。
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