2004年 6月 17日(木)

あの帽子・・・

「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでしょうね・・」

角川映画作品は子供心に斬新な印象が強いものが多かった。
このフレーズも映画「人間の証明」のキャッチフレーズかと
思い込んでいたら、西条八十の詩だったと最近知った(−−A
この詩がきっかけで原作小説が生まれた事も知った。

今までも映画化・ドラマ化されてきた森村誠一の
ベストセラーが、フジテレビ系で7月8日(木)夜10時から
いよいよ放送される。
主演は竹之内豊だ。私が観ないはずがない(笑)。
毎週竹之内君が観られるなんて、嬉しくってしょうがない。

原作者の森村誠一氏は、私に大きな課題をつきつけた人だ。

小学生の時、ドイツ人によるユダヤ人ホロコーストの事を
「アンネの日記」で初めて知り、ドイツ人に嫌悪感を抱いた。

小学校高学年だったか、中学生になってからだったか、
森村誠一氏の「悪魔の飽食」を従姉妹に借りて読んだ。
ホラー小説かと思ったらとんでもなく、太平洋戦争中、
中国東北部に実際に存在していた日本軍の人体実験施設、
幾つかの中で最も有名な731部隊に関する記録だった。
ネズミのペスト菌を人間の体にわざと入れて菌を強力にし、
それを取り出して生物兵器として使おうとした研究所。
本の中にあったのはそれだけではなかった。
しばらく食事ができないほどのショックを受けるような
おぞましい人体実験の数々があった。

・・・ドイツ人だけじゃなかった、日本人も戦争と言う
異常な世界の中で狂気に走っていた。
アメリカ人もロシア人も・・・
特定の民族ではない、人間の心に備わっている残酷さが
外に出るか否かなのだとその時にズシンと感じた。

親元を離れ、一人で暮し始めた土地で、731部隊展が
開かれると知った時は、ためらいながらも見に行った。
実験に使われる人間は切り刻む、という意味でマルタ(丸太)
と呼ばれた。
会場ではビデオ上映もされており、重要な実験の一つだった
凍傷実験のシーンは、マルタを極寒の場所でわざと凍傷させ、
どのくらいまでなら回復の見込みがあるのか等、記録を取る。
素肌をさらされて凍った腕は棒で叩くとつららを割るように
粉々になる。割られたマルタは「うわぁぁああ!」と叫ぶ。
そんな目を覆いたくなるシーンばかりが流れ、私は全てを
観る事はとてもできなかった。作りものだと判っていても。

森村誠一氏の本と出逢ったあの時から、私は人間の残酷さに
ついて深く考えるようになっていた。
異常な状況だから、お上の命令だから、許可された事だから、
そんな理由で心の残虐さを剥き出しにしてよいとは、やっぱり
今でも思えない。
でも、自分がそんな状況に置かれた時、その時私はどうなって
しまうのだろうか・・・。

今でも、答えの出ない大きな宿題を渡された気がして、
少女時代からもう何年も経つのに、まだ合格点をもらえそうにない。





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