2004年 12月 4日(土)

●2日、北野武(ビートたけし)監督が、来年4月から開設される東京芸大大学院映像研究科の映画専攻教授に就任することになったとのニュースを見て、それはあり得るとすんなり受け取った。というのはその前の晩、テレビで彼の作品の『座頭市』を見ていたからだ。私は北野監督のファンではない。だから1997年ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受けた『HANA−BI』もまだ見ていない。以前に彼の作品『その男、凶暴につき』をこれもテレビで見て、なんでこんなに簡単に拳銃を撃ったり、人を殺す場面が出てくるんだと嫌悪感を持ったものだ。そして『座頭市』だって、血が噴き出す場面の連続だ。殺された人間の数からいったら、相当なものだ。でも今回は勧善懲悪という単純ストーリーと、カメラアングルの面白さや映像の美しさのせいか、見終わってから「なるほどね・・・」と、彼の感覚にちょっと好感を持てた気がした。彼は「映画についての教育というものを全く受けてこなかった自分が、人に教えるというのは実に変な話」とコメントしているが、むしろ「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という彼流の常識を破るという発想に新しいものを次の世代に提案していくに違いない。
●とはいっても、実は正直なところ私は同一人物であるビートたけしは好きではない。でも作家北野武、映画監督北野武、コメディアンビートたけし等は、同じ人物でありながら、それぞれが作られたイメージの中の別の人物像といってもよい。だからビートたけしではない北野武の活躍を通して、新しい映像作家が次々と誕生することを期待したい。先日、図書館からビデオを借りて、フランスの監督ルイス・ブニュエルによる『アンダルシアの犬』を観た。1928年の作品ということだ。当時の前衛的な映画であるが、彼の作品も、このように歴史に残るだろうか。