2005年 2月 28日(月)

長野政雄の愛

●明治42年の今日、北海道の中央部に位置する和寒町塩狩峠で、一人のクリスチャンが、自らの命を犠牲にして、多くの乗客を事故から守ったという尊い出来事がありました。その人は、三浦綾子さんの小説『塩狩峠』のモデルとなった長野政雄さんです。それは、2月28日の夕刻に起きました。名寄発旭川行きの列車が難所として知られた塩狩峠の急勾配にさしかかった時、突然最後尾の客車の連結器が離れ、客車は坂を暴走し始めました。乗客は、どうなることかとおびえました。そこに偶然乗り合わせていた国鉄職員であった長野政雄さんは、乗客をなだめて、客車の外にあるハンドブレーキを使って客車を止めようとしました。しかしスピードは減速したのですが、次のカーブの先に坂があり、そこを過ぎると再び暴走をし、誰もが転覆すると思っていました。ところが客車は急に停止しました。乗客は安心して外に出ると、なんと線路の上に血まみれになった長野さんが横たわっていました。彼は、自ら車輪の下敷きになったため客車は止まったのでした。
●現在、塩狩駅構内に『長野政雄殉職の地』顕彰碑が建立されています。私も3度ほど現地を訪れたことがありますが、この日、顕彰碑の周囲には、アイスキャンドルが灯され、長野さんを偲ぶ時が持たれます。

「人がその友のためにいのちを捨てるという、これよりも大きな愛はだれも持っていません。」(ヨハネの福音書15:13 )