2006年 5月 8日(月)

Nobody knows

●昨日、夕食前に、映画『誰も知らない』のDVDを娘が借りてきたというので、一緒に観ることにした。カンヌ映画祭において、柳楽優弥が最優秀男優賞を史上最年少で受賞したということは知っていたので、以前から観たいと思っていた作品だ。

●この映画は、1988年に東京で実際に起きた「子ども置き去り事件」をもとにしているという。父親がみな別々でしかも家族の4人の子どもたちは、学校には行っていない。更に自分だけの幸せを求めて、母親は子どもたちを置き去りにして家を出て行ってしまう。残された子どもたちは、それでも支え合って都会のアパートの一室で生きていく。人間関係の問題で学校に行けない子どもや、親の教育方針で学校生活をさせないという子どもたちが多くなってきているので、学校に行かない子どもを見ても、最近ではあまり気にしないかもしれないが、今から18年前に実際にあったとするならば、かなりショッキングな出来事だ。しかも周囲には、多くの人たちがいながら、いわゆる「誰も知らない」状態に置かれている。むしろ周囲の人々が多く動いているだけに、そのような生活が可能なのかもしれない。

●都会に住む者の寂しさゆえに、この母親も4人以上の男性を求め、そして4人の子どもが誕生した。生まれてきた子どもこそ不幸。母親は寂しい。でも子どもは、寂しい以上に生きることの厳しさを背負っている。これは実話をもとにしているだけに、これに似たような話は、他にも多くあると考えると、可愛そうで、腹立たしくて、私の近くにもこのような家族が実際にいるかも知れないと思い、見終わって無言のままただフーとため息をついた。