| 2007年 12月 21日(金) |
心の傷1
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●娘が、「文を書いたんだけど読んでくれる?」と恥ずかしそうにパソコンのデータが入っているメモリをさし出した。そういえば、ここ何日か娘が夜遅くパソコンに向かっている姿を見かけた。私は、「うん」と言って受け取った。パソコンに入れて開いてみると、そこには8つほどの小説風の短編が書かれていた。親馬鹿になるが、へえなかなかの文章を書くなと思った。一つひとつは、主人公も場面も異なっていたが、いくつかは大学時代のこと、今の職場のこと等、彼女がこれまで体験してきたことがベースになっていることに気づいた。
●彼女は、大学を出てからしばらく経つが、今も彼女の心を苦しめている出来事が大学時代にあった。後輩のN君が事故死したのである。彼女はその時は、その場に居合わせたわけではないし、かかわりがあったわけでもない。しかし彼女自身の考えによると、「風が吹くと桶屋が儲かる」式につながりを探り出すと、彼女がN君の事故を引き起こす一因を担ったということになるという。そのために彼女の気持ちが落ち込んだ時には、「なんでN君が死んで、私が今生きているのか?」という思いが彼女を苦しめたらしい。彼女の短編の内容は、全くその事故とは異なる設定で、彼女の気持ちを主人公の気持ちに重ね合わせて書かれていた。
●私は、部屋から出てきた彼女に「なかなかいい文章と思うよ。私にはとても書けない。いいセンスを持っているよ。」言った。すると彼女は、「文章に書いてみてよかった。やっと吹っ切れた。」と、N君の亡霊から解放されたことをにおわせた。数日前も「生きるべき人が、なぜ死ななければならないのか?」とか、「なぜ私は生きているのか?」などについて会話したばかりである。あの時は、まだN君の亡霊が彼女の傍に居たのだろう。