「降って来たなぁ・・・」
どんよりと曇っていた空から一粒。また一粒と雨粒が降りてきた。
今日は朝から空を雲が覆っていた。
昼まで降らなかったのが不思議なくらいだった。
これから地面がぬかるんでくるだろう。
目的地に着くのは夕刻か真夜中か。
まだ到着できるなら良いが、このまま野宿というのは洒落にならない。
恐らく現在地は今朝出発したルーザタウンと目的地であるリンウッドの間に位置するだろうから・・・。
チャルダーは地図を見ながら先々のことを考え始めた。
足元ではカエルが一匹この雨を喜んでいるのか、小気味よく飛び跳ねている。
その後ろにはフードを被りながらも髪の毛をいじる女性とそして
「チャルダーさん。少し休みませんか?」
rikiがさらに後ろにいる人物を見て声を掛けた。
後ろにいたのはおかっぱ頭の女の子だった。
旅に慣れていないのか歩みが遅かった。
「あそこの木陰で休みましょう!」
足元にいたカエルことみっち〜!の一言が堰を切ったのか
「まぁったく雨は嫌だよ。湿気で髪はボサボサになるし」
とフードを被った女性ことみずみずも話し出した。
ここまで黙々と歩いてきただけに、皆しゃべることを忘れてしまったかのようだったが、
口を開くきっかけが無かっただけなのであった。
雨が少しだけ強くなった。
皆一斉に木陰まで走り出す。
おかっぱの少女はチャルダーに抱えられながら。
「どうもすみません」
この少女と出会ったのはルーザタウンから出るときのことだった。
アーサーが行方不明になった後、アーサーに似た少年がルーザタウンを出た知り
チャルダーたちは荷物を整えていた。
そこへ一人の女性・・・つまり彼女が部屋に現れたのだった。
とても旅しているような服装ではなかったため、最初は部屋を間違えたのかと思ったのだが、
彼女は突然
「私をリンウッドへ連れて行ってください」
と懇願。理由はわからなかった。彼女が話したがらなかったのだ。
みっち〜!は怪しんだが、チャルダーは素直に受け入れた。
チャルダーは元々ゲームに参加させられたプレイヤーに過ぎない。
だから彼女を何らかのイベントの対象として見ていたのだ。
アーサーを探すには恐らくリンウッドに行かなくてはならないのだろう。
そしてその後みずみずとrikiと合流し一路リンウッドへ向かったのだった。
「しっかし止みそうに無いねぇこりゃ!」
みずみずは空を恨めしそうに見ていた。
側らでみっち〜!が飛び跳ねておりそれを疎ましく思ったのか
軽く蹴飛ばした。
「な、何するんですか!」
「あんた、飛び跳ねすぎなんだよ!いらいらするよ!全く!」
「カエルだから仕方ないじゃないですか!」
「あんた元は人間なんだろ!」
「好きでこんな体になったんじゃないやい!」
二人がいがみ合っても雨は降り続く。
rikiが徐に立ち上がり先を見てくると走り去っていった。
雨粒が葉を揺らし辺りをうるさくしたが、いがみ合う声よりは心地よかった。
「止みそうにないですね」
少女は呟く。
(後日記載)