2003/1/21 (Tue)

大切なもの。


 大切なものをなくした。

 小さい時からずっと一緒に居てくれて、しろが居たから私は一人ぼっちにならなくてすんだ。なのに私はしろをたった一人で逝かせてしまった。
 死が変える事の出来ない現実なら、ただ一つ願いを叶えてほしい。せめてしろを独りぼっちで死なせなくてすむようにして欲しい。
 暖かいお布団の上で、家族の傍で、そんな死をしろに迎えさせてあげたかった。

 ずっとお家にいると思ってた。だけど居なくて彼氏と母と二人でそとを探し回った。私は大学に行ってた。
 しろのテリトリーじゃない場所に、一人で死んでるのを母が見つけて…大学の帰りに彼氏にしろがどうなったかを聞いた。私は泣きすぎて頭が痛い。多分19日には死んでいたんだと思う。見つかったのは昨日だった。
 
 しろに会いたい。今はダンボールの箱に横たえられて冷たくてじっとしてる。まるで眠ってるみたいにみえる。抱いてももう嫌がらない。じっとおとなしく私の腕の中に居てくれる。
 でも生きてるしろを、もう一度だけ抱かせて欲しいな。しろの好きな場所で、電気毛布のある私のお部屋で眠らせてあげたい。
 
 お医者さんは犬に噛まれたのが死因じゃないかと言った。誰かしろがどんな思いで死んだかを私に教えて欲しい。寒かったのか、痛かったのか、家族に会いたかったか。私のこと考えたかな?って考えても考えても戻ってこないしろ。
 知らせなきゃいけない人が沢山いるんだけど、知らせることができずにいる。

 書くことも出来ないと思ってた。
 でも、しろの存在を一人でも多くの人に知ってもらえたら、そしたらしろは誰かの中で生きていくことが出来る。
 今は辛すぎてこれが精一杯だけど、少しずつしろの足跡を遺していこうと思う。

 買い物から帰った時、しろの声が家の中から聞こえた気がした。いつもみたいに、鳴いた気がした。
 
 もう一度しろに会いたい。