| 2004/4/14 (Wed) |
Honesty.
午前2時…もう今日しかないと思った小雨の中TAXYを走らせた。
運転手さんと言葉を交わしながら手が震えて、それでもSさんの姿だけもう一度見ておこうと決めた。
午前2時30分、目的地に到着。雨のせいで寒くて、余計に心細かった。。
Sさんが現れたのは、午前4時を迎えようとしていた時の事。遠くからの視線には気付くはずもなく、いつも通りお仕事をなさっていた。
どうせ最後ならと打ち始めたメール。打ち終わる前にSさんは作業を終え、目の前から居なくなった。
SUB:ごめんなさい。
3月15日付けでお店を辞める事になりました。結局気持ちの整理が付け切れなくて最後にもう一つだけ迷惑を・・・。
自分勝手だけど誰よりもSさんに挨拶して辞めたくなって。
本当にありがとうございました。オヤスミナサイ☆彡
―――
諦め切れず、打ちながら辿り着いた珈琲館。このメールが返って来なかったら忘れられる気がしていた。
10分後、懐かしい液晶の文字に、心拍数を上げる着信。
『もしもし。』落ち着いた静かな声。「…もしもし。」湖を波立たせたくなくて、静かに言い放った私の第一声。それから相手の、いつもの笑い声が響いた。
まるひと月の空白。それが嘘みたいに、違和感なく受話器を持つ私が居た。
大好きな声。大好きな話し方。大好きな間。大好きな笑い方…。
『そんな遠い所で泣かれててもねぇ…どうしようもないが?』そう言ったSさんはあの頃みたいに私の都合を聞いて『少し時間かかるよ?』と仰言って来てくださった。
入り口の正面に車をつけて、私が降り続く雨に濡れないように…。
いつもの場所に車を停めて、『…3月で思い出した。』とトランクからホワイトデーのお返しを持ってきて下さった。それはまるで私にまた会うことを知っておられたみたいだった。
自分からは近づけなかった私を、一度だけ控えめに引き寄せて抱き締めてくださった仕草。もう二度と会えなくても、生きていけるくらい…幸せな抱擁だった。