| 2004/6/18 (Fri) |
名前を呼んで。
AM0:19
着信。お風呂上り。
『何してたん?』
「電話待ってた。」
『そうかw』
そんな会話。
『会いたいか?』
「…うん。」
『会いたいね。』
優しい声をする。
「にゃん、抱っこ。」
『できひんやんけ…。』
私はIさんのことを普段「にゃんにゃん」と呼ぶ。
困ったように笑いながらIさんは答える。
『泣いてばっかり居たらあかんで?』
「泣いてばっかりじゃないもん。」
泣きながら言う私。
『土曜日、仕事終わってから行くからな?』
「うん。」
本当は今すぐに会いたくて、でも会ったらまた独りになる事にきっと耐えられない。
昔母親が出て行った時、一度だけHotelで会った。
夕方くらいに父親に連れて行かれて、晩は一緒に居て…久しぶりに会えて本当に嬉しかった。
お母さんは私のために、学校に持っていくティッシュを買っていてくれた。普段あまり見ていないTVのキャラクターの絵の付いたポケットティッシュ。
次の日の朝。
ずっと一緒に暮らして居て、急に離れ離れになって…やっと会えたのに、私はまた母親と別れて独り泣きながらバスで小学校へ行った。
あの時の私は今も独りのままでいる。
どうやったら抱き締めてやれるかな?っていつも考えるのに、抱き締めてやれたことは一度もない。
あの空気を思い出す気がして、Iさんに会うのが少し怖い。
「名前よんで?」
泣きながらそう言った私に
『――ちゃん。―――。』
と呼びかける声。
何も考えずに、何もかも捨てて一緒に暮らすことを選べたら泣かなくて済むかな?
…だけど土台がないと壊れてしまうからきっと今がある事、理屈では理解している。
あの時、なんで離れなきゃいけないんだろうと納得がいかないまま寂しさを強いられた自分。
土台を作ろうとしていた夫婦の真ん中で、一生一人ぼっちになった。
いつになったら忘れられるんだろうね。
あの当時の大事な想い出は殆ど抜け落ちてしまっているのに、痛みだけ未だに消えないでいる勝手な記憶。
抱き締めていて欲しかった記憶。
欲しかったのは、安心。
ずっと変わらないもの。
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会いたいんじゃなくて、傍に居たかったんだ…。