| 2003年 11月 26日(水) |
美少女クイーン
今日の放課後、生徒会室の窓際、私の指定席で、ぼんやり外を眺めていると、学園祭のときの「美少女コンテスト」の実行委員がやってきた。
「失礼します。こちらに国見天音さんがいらっしゃると聞いたのですが・・・・」
その実行委員は出迎えた瑞樹にそう告げると、部屋の中を見回している。
「天音せんぱーーーい、お客さんです」
瑞樹は振り返り、私に向かって大声で叫んだ。
「瑞樹・・・・大声を出さなくても聞こえてます・・・・・」
騒々しい瑞樹にため息を吐くと、私は立ち上がって実行委員の側に歩み寄った。
「私が国見天音ですが・・・・何か?」
「あのっ、俺美少女コンテストの実行委員の田中といいます。先日はコンテストの優勝おめでとうございました」
そう言って田中と名乗った生徒は、頬を真っ赤に染めて、ぺこりとお辞儀をした。
そう・・・この前の学園祭で行われた美少女コンテストで、私が優勝をしたのだ。
お祭り好きの慎吾が、私たちの名前を勝手にエントリーしていたやつだ。
初めは「面倒くさい」と思っていた私だが、出場するからにはトップにならないと、私のプライドが許さない。
かなり気合を入れ、祥太郎先生のお姉さんにバッチリメークをしてもらい、出場した結果、その気合と持ち前の美貌が功を奏したのだろう。
ちなみに準優勝は「祥太郎先生」で瑞樹と咲良は可愛く双子の天使のようで、特別賞を貰っていた。
「ああ、そんなこともありましたね・・・」と思い返していると、田中くんは、ずいっと私に一歩近づき、ある物を差し出してきた。
「あの・・・当日準備が間に合わなかった、優勝商品です。お納めください!!」
言われて私は優勝商品を貰っていないことに、ようやく気づいた。
そういえばコンテストで私が貰ったのは、王冠と白いファーの付いた真っ赤なマントだったな・・・・
「ありがとう・・・・」
私は有りがたく差し出された物をもらうと、にっこりと微笑んでみせた。
すると田中くんは、更に顔を真っ赤にして、「失礼します!!!」と大声で言って帰っていってしまった。
「騒々しい・・・・・・」
取り残された私は開いたままのドアをみて呟いた。
「天音先輩、何を貰ったんですか?」
私のやり取りを見ていた、瑞樹と咲良が目をキラキラさせて近寄ってきた。
まるで尻尾を振って付きまとう子犬のように、二人は私の後を追ってくる。
私は二人と共にソファーに座って、貰った目録を開けてみた。
「あーーーーーっ旅行券だぁぁぁぁぁ!」
「いいなぁ・・・・・俺も温泉行きたいーーーーーっ」
中から出てきた温泉旅行の券を見て、子犬たちが騒ぎだした。
「悪くはないですね・・・・・」
しかも場所は「北海道」もちろん、ペアチケットだ。
北海道はもう雪は降っているのだろうか・・・・・
一足先に、雪を慎吾と見てくるのはいいかもしれない。
もうすぐ12月に入ったら期末試験が始まる。
この旅行をエサに、慎吾の尻を叩かなければ・・・・・
そして、補習を免れる成績を慎吾が取れたら・・・・冬休みは北海道旅行!
温泉でしっぽりと・・・・・
ああ・・・想像しただけで、身体が疼いてしまう。
明日学校で慎吾に会ったら、言ってみよう。