| 2003年 11月 9日(日) |
慎吾・・・キモイ・・・・
今日は日曜日。
いつものように慎吾と甘いひとときを堪能している私の携帯に瑞樹から電話があった。
学園祭の衣装をカノンの知人が手伝ってくれるということだった。
そう言えば鷺ノ宮カノンはモデルをやっていたな、と私は今更ながら気づく。
お金にうるさい瑞樹が、少しでも経費を浮かせる為にカノンに頼んだのだろう。
今日早速見に来ないかというお誘いの電話だった。
本当は行きたくないが、慎吾がノリノリなので仕方なく約束をして電話を切った。
瑞樹に指定された場所は、撮影スタジオらしく、数人の人達が忙しそうに動き回っていた。
私と慎吾は一番最後に着いたらしく、もう全員そろっていた。
雪紀は相変わらず涼しい顔をしているし、咲良は興味津々で、瞳を輝かせてキョロキョロしている。
直哉は色々複雑な思いを抱えているのか、眉間に皺をよせてムスっとしていた。
しかし、無理矢理連れてこられて、不安な気持ちでイッパイな祥太郎先生が、おろおろしながら直哉の袖に縋りついた瞬間、直哉の表情が一瞬デレっとなったのを私は見逃さない。
直哉も案外、可愛い奴なんだな・・・・
瑞樹とカノンに案内され、様々なゴスロリ衣装を見せてもらう。
私たちの為に数点持って来てくれたそうだ。
実際に衣装を目の当たりにして、私はひっそりとため息を吐く。
「こんなヒラヒラ・・・・・うっとおしい・・・・」
ふと横に居る瑞樹を見ると、やはり乗り気じゃないらしく、顔が引き攣っている。
一方の長身組は何やら楽しそうに談笑している。
長身組の楽しそうな姿を見て、私のムカつきが再燃した。
こうなったら、仕返しを本気で考えなくては。
「瑞樹、ちょっと・・・・」
私は瑞樹をスタジオの隅に引っ張っていき、耳打ちする。
「私たちだけコスプレさせるのは不平等だと思いませんか?やっぱり雪紀たちにもコスプレして頂かないと」
私の言葉を聞いて、瑞樹がニヤリと笑った。
「そうですよね・・・・あ・・・俺に良い考えがあります」
そう言うと、瑞樹は雪紀達の元へ走っていった。
瑞樹も相当怒っているらしい・・・・・
「住園先輩、俺一つ提案があるんです」
雪紀の側で、びしっと背筋を伸ばして瑞樹が手を挙げる。
「俺達だけじゃなくて、先輩達も、コスプレした方がいいと思いま〜す!それの方がお客さんも集まること間違いなしです!それで、俺考えたんですけど」
そう言って一旦言葉を区切ると、瑞樹は何時の間に側に置いていたのか、ある衣装を掲げた。
「ベルばらのコスプレでーーーす!!」
左手には中世フランスの騎士の衣装、右手には金色のウェーブのカツラ・・・・・
それを見て雪紀も直哉も逃げ出そうとしたけど、そんな事は私が許さない。
私が雪紀と直哉を捕まえようとした瞬間、慎吾の大きな声がして、私の動きが止まる。
「うわーーー★すげー★いいじゃん。俺一度王子様やってみたかってん!!」
振り返ると嬉々とした慎吾が金髪で背中までの長さのあるカツラを被っていた。
「天音〜どうや?似合う?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
スマン・・・・慎吾。はっきり言ってキモイ。場末のオカマバーのママみたいだ・・・・・