| 2003年 12月 2日(火) |
美声
期末テストは今月の15日から3日間だ。無論、その3日はペーパーテストをするわけだが、実技のテストはそろそろ始まっている。
今日は音楽の授業の最中に、歌の実技試験があった。30人の少数クラスとはいえ、一人一曲ずつ歌うと結構時間がかかる。
だから歌とリコーダーの試験を4回の授業で分けて行うことになる。今日はその、歌の1回目だ。
もちろん、日舞の大家を父にもち、日ごろから楽曲に慣れ親しんでいる私には、高校程度の音楽のテストなど問題にもならない。
日ごろ鍛えた絶対音感と、笙や横笛を子供の頃から学んできた腕前にとっては、単なる歌やリコーダーなど物足りないこと夥しい。
前回の歌のテストでは、歌は自由となっていた。課題曲はもちろん提示してあったのだが、アカペラでよければ何を歌ってもよいということになったのだ。そうしたら、どういうわけかアイドル歌手のアカペラ大会になってしまった。
教師も、さすがに懲りたのだろう。それはそうだ。にきびブチブチの大柄な男子生徒が身を捩って裏声で歌う、松田聖子だのアヤヤだのモー娘。だの、そう何回も聞きたいものではない。おかげで今回は課題曲のみの選択となった。
そうなったらなったで、私のへそ曲がりの虫が騒ぐ。何か押し付けられたものをそのまま受け入れるのが、どうしても嫌なのだな、私は。
結局私は、おとなしく課題曲のグリーンスリーブズを歌った。ただし、原曲、すなわち英語でだ。
私の雅な美貌から溢れる完璧な発音の英語に、一同がうっとりしていたことはここに記するまでもあるまい。
ところで、クラスが違うのが残念だが、慎吾はあれで意外にいい歌を歌うのだ。少しハスキーな声で、決してうまいわけではないが、味のある歌を歌う。耳元でスローテンポの歌を囁かれた日には、それだけで腰砕けになりそうな甘い声だ。
私の独り占めにしておきたいのに、テストなんかでみんなに聞かせてしまうのはもったいない。実にもったいない。
さらに余談だが、どうも雪紀は歌が苦手らしい。若者のくせにカラオケよりクラブに固執するのは、歌が情けなく調子っぱずれだからだという噂を聞いた。
…これはぜひ、お忍びで聞きに行かなくては。