2003年 12月 29日(月)

会いたくて

 ふう、年末は何かと忙しい。
 私はそっとため息をついた。既に、家の中には祖母や父の外弟子や内弟子さんたちがひしめいている。
 子供の頃からの当たり前の光景が、今の私には鬱陶しく思えてくる。

 母が選んでくれた、お正月用の藤色の着物は私にとても良く似合っていた。母はもちろん、お祖母様も父も、出入りしているお弟子さん達も皆が「良く似合う」と褒めてくれるが・・・本当は慎吾にこそ見てもらいたいのだ、私は。

 そして。
 『どんな女の子より、天音がいっとう綺麗や・・・』
 そんな風に、耳もとで囁かれてみたい。
 
 そう思っただけで、体の芯が燃えるように熱くなる。
 これは・・・・・・私は欲求不満なのだろうか?
 
 クリスマスにはあんなに沢山愛してもらったのに・・・・・ここしばらくの忙しさで慎吾に会えない日が続いていたが。
 私の体は、こんなにも浅ましいものだったのだろうか?

 仕方が、無い。だって私は慎吾が本当に好きなのだ。世界の誰よりも愛している。
 その慎吾に愛されたい、と思って何が悪い?

 早く、年が明けて欲しい。そうすれば、慎吾に会える。
 あの、逞しい腕で私を抱きしめてもらえる。

 慎吾・・・・・・・・会いたい。