| 2004年 1月 11日(日) |
でかした!慎吾!!
この週末も慎吾は私の家に泊まりに来ていた。
今日は二人でゆっくりとDVDでも観て過ごそうと思っていたのに、私の祖母に慎吾を取られてしまった。
なんでも「部屋の模様替え」がしたいそうで、体力のある慎吾に家具を動かすのを手伝って欲しいそうだ。
二人の時間を邪魔されるのは嫌なのだが、頼んでる相手が祖母なので断れない。
私は祖母が大好きだし、断ったらきっと慎吾が悲しい顔をするだろう。
昼食を食べた後、慎吾が祖母の部屋に行って2時間が過ぎた。
私は仕方なく一人でDVDを観ることにした。
なんとなく寂しくて、慎吾から貰ったテディーベアの「慎之助」さんを抱きしめ、ソファーに座る。
慎吾があまり好きでない「サスペンスモノ」の映画を見ようとリモコンを手にした瞬間、携帯電話が鳴り出した。
私はリモコンを置いて、携帯を開き、通話ボタンを押す。
「はい・・・」
『あ、天音先輩・・・・咲良です・・・』
なぜか咲良は声を潜めて話している。
「咲良・・・どうしました?」
『あの、この前言ってた祥太郎先生の包帯の事、探ったんですけど・・・・・』
そういえば、祥太郎先生の腕の包帯と直哉の不可解な表情にピンときた私は、子犬たちに探りを入れるように頼んでいたんですね。
咲良に言われて、私は先日生徒会室で見た光景を思い出した。
「で?何か分かりましたか?」
『それが・・・・雪紀さんに聞いても分かんなくて・・・・ごめ・・・きやっ・・・』
話していた咲良が急に小さな悲鳴を上げた。
「もしもし?咲良?」
『ちょっ・・・雪紀さん、やめて・・・天音先輩に聞こえちゃう・・・・んっ・・・・』
濡れた音と咲良の声を最後に通話が切れてしまった。
「また・・・・ですか・・・・」
私はため息を吐くと、携帯を折りたたみ、テーブルの上に置いた。
咲良が私に電話しているのを、雪紀が邪魔したのだろう・・・・エッチなことでも仕掛けて。
相変わらず仲の良いことで・・・・
とりあえず咲良からは何の情報も掴めなかった。思い出しついでに、瑞樹に電話を掛けてみることにした。
数回のコールの後、間延びした瑞樹の声が聞こえてきた。
「もしもし、瑞樹、この前頼んだ祥太郎先生の包帯の件、わかりましたか?」
挨拶もそこそこに、本題に入った私に、瑞樹は落胆した声で答えた。
『ごめんなさい・・・何も分かんないです。カノンにも頼んだんだけど・・・・収穫無しでした。』
「そうですか・・・・・」
『すいません・・・・役に立たなく・・・うわっ・・・』
先ほどの咲良同様、瑞樹が話しの途中で悲鳴を上げた。
私は「こいつらも?」と米神がピクピクしてきた。
「カノンが来てるんですね・・・すいませんお邪魔して・・」
『えっ?来てませんよ?カノンは今日撮影に行ってて・・・・やっ・・・やめろよ・・・清丸』
また話の途中で悲鳴を上げた瑞樹の口から、聞いたことの無い名前が出て、私はびっくりした。
「瑞樹・・・・浮気してるんじゃ・・・・清丸って・・・・?」
『なに言ってるんですか・・・・違いますよ。清丸はうちの犬ですっ!!』
何だ・・・・犬がじゃれていただけのようだ。
私は軽く謝って電話を切った。
結局何の情報も無い、そう思ってため息を吐いていると、慎吾が祖母から開放されて戻ってきた。
「あれ・・・天音、どないしてん?」
「慎吾・・・実は・・・」
私はことの顛末を慎吾に話した。すると、慎吾は「何だ・・・・俺知ってるで・・・」と涼しい顔で言った。
「えっ?慎吾知ってるんですか?」
「おう。俺も祥太郎先生の包帯が気になって、直接先生に聞いてん。しつこく聞いたら、教えてくれて・・・」
「何があったんですか?」
興味津々な私は慎吾に掴みかかって大きな慎吾の身体を揺さぶった。
「わわわわ、天音落ち着け・・・今言うから・・・あんな、直哉が露天風呂でのぼせて倒れてん、そん時に先生が少し怪我をしたんや。」
「それだけですか・・・・?」
あの直哉の表情を見る限り、それだけではないはずだ。
そう思った私が慎吾を問い詰めると、慎吾がいきなり思い出し笑いを始めた。
「それだけちゃうで、もっとおもろいのがな、直哉・・・・も・・・蒙古斑がまだあんねんて・・・・ぷぷっ・・・」
「も・・・うこ・・・はん・・・・」
高校生にもなって、まだ付いてるなんて・・・・ありえない。
そんなみっともない物を大好きな祥太郎先生に見られては、直哉も複雑だろう・・・
しかも、のぼせて倒れるなんて・・・・・
私は良いネタを手に入れてきた慎吾に抱きついた。
「慎吾、すばらしい情報をありがとう!!」
私は感謝の気持ちをこめて、慎吾の唇にぶちゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっと熱いキスを送った。
明日学校に行く楽しみができた。
どうやって直哉をいじめようか・・・・・・わくわくして今夜は眠れそうにない。