2004年 1月 17日(土)

人の口に戸は立てられない・・・・・

今日は土曜日。
授業は午前中で終わり、私は教室を出ると、慎吾を迎えに行こうと、廊下を歩いていた。
 すると、ある教室の中から、慎吾の大声が聞こえてきて、私は足を止め、中を覗いてみた。

 「なぁ・・・お前見たんやろ・・・・先生のアレ・・・どうやった?すんごいモノやった?」
 「・・・・・・・・知らん・・・・・」

直哉のクラスに慎吾は乗り込んで、祥太郎先生のアレについて聞き出しているらしい。
慎吾に突然そんなことを問い詰められて、直哉の顔が引きつっている。
しかも、慎吾は小声で言っているつもりかも知れないが、元々声が大きいため、教室中の生徒が、聞き耳を立てている状態だった。

 「俺、絶対祥太郎先生のアレ、でかい思うねん。先生に聞いたって教えてくれへんし・・・・・」

しつこく問いただす慎吾に、直哉はキレたのか、立ち上がると慎吾を冷たい目で見て一言・・・・

 「慎吾がそう思うんだったら、そう思っておけよ・・・・俺は知らん」

直哉はそう言って、教室から出て行ってしまった。

 「へぇ〜否定しないって事は、大きいねんな・・・・」

出て行く直哉の背中を見つめ、慎吾がポツリと呟いた。
 その慎吾の呟きを聞いた他の生徒たちが、ざわめき始めた。

 「祥太郎先生のアレ・・・・大きいのか?」
 「ビッグマグナム?」

導火線に火をつけたように、一気に勝手な話が駆け巡る様が目に浮かぶ。

私は眩暈を感じて、慎吾を置いて、生徒会室へ向かった。



 生徒会室のドアを開けると、また瑞樹が私めがけて飛んできた。

 「天音せんぱ〜い・・・・凄いんですよぉぉぉぉぉ」

 「・・・どうしました?」

 「今日職員室に日誌を持っていったら、職員室中の先生に、慎吾先輩が『祥太郎先生のアレは大きいか?』って聞いて歩いてたんですよ」

 「職員室で・・・・・・?」

 「そうなんです・・・祥太郎先生はその場に居なかったんですけど・・・・・・他に生徒が数名いて・・・・一年の間ではかなり噂になっていますよ」


私は頭痛までしてきた。
祥太郎先生の噂が回るのはいいが、噂の根源が慎吾であることがバレバレなのだ。
このことを直哉と祥太郎先生が知った時が・・・・私は恐い。

でも、楽しそうに暴走している慎吾を止めることは私にもできない。
ああなると、慎吾は人の話を聞かないから・・・・・