2004年 1月 23日(金)

仕返し・・・・・?

 昨日、テニスで私に負けた省吾は機嫌が悪い。あの後、生徒会室で子犬コンビに散々馬鹿に?されていたからだ。
 もちろん子犬コンビにはそんなつもりは毛頭ないだろう。ただ単に、私に負けてしまった省吾が不思議なだけのようだ。

 しかし、それで済まないのが「脳みそ筋肉・体だけ男」の異名を持つ慎吾だった。
 慎吾にとって、全てのスポーツは「遊び」でしかない。水泳以外は、だが。
 基本的に運動神経もセンスもいいのでほとんどのスポーツは楽勝♪と思っている節がある。けれど、世の中には「頭」を使ってプレーするスポーツも沢山あるのだが・・・。
 どうやら慎吾にはそれが分らないらしい。

 今日も今日とて昼休みに、生徒会室から子犬コンビを連れ出して休み時間中テニスの相手をさせていた。
 
 「おらー、もたもたすんのやない!咲良、行くで〜」
 「瑞樹もそんなんでへばってどーすんねん!!!そんなんやったら、いつまでたっても勝てんやないかい!」

 一体、誰に勝つつもりなのだろうか・・・?
 そんなこんなで休み時間が終わる頃には子犬コンビは息も絶え絶えに生徒会室に逃げ戻って来た。

 「雪紀さん〜、慎吾さんがおかしいよぅ〜」
 「カノンー!どうしよう〜。放課後も連れていかれちゃうよ〜」
 クンクン・キャンキャンとしっぽを丸めて帰って来た小犬達にの飼い主が黙っているはずもなく。

 「慎吾!咲良を引きずりまわすのはいい加減にしろ!」
 「お願いですから・・・放課後は僕たちデートするんですよ・・・」
 
 しかし慎吾は雪紀&カノンの攻撃にも怯まなかった。

 「あ〜ん?何やて〜?誰が引きずり回しとんねん。ただ単にテニスに付き合うてもろうただけやないか。放課後にデートや?そんなん明日にすればええやん〜」
 そう言いきった慎吾の目は完全にすわっていた。


 
 放課後。雪紀とカノンは早々に小犬達を連れて逃げ出してしまった。もちろん、私もあんな慎吾の相手をするのは面倒なのでさっさと家に帰る事にした。

 現在、午後10時過ぎ。コンコンと窓をノックする音に私は気がついた。カーテンを開けてみれば慎吾が立っている。
 「一体、どうしたんですか?」
 私は慌てて慎吾を部屋の中へと入れる。触った慎吾の手は氷のように冷たかった。一体いつからそこに立っていたのだろうか。
 「こんなに冷えてしまって・・・。風邪をひいたらどうするんですか!」
 心配の余り、私はつい怒鳴ってしまう。
 
 ふいに、キスをされた。

 「・・・・・・慎吾?」
 「寒いから、暖ためたって。天音・・・・・・」
 
 そう呟きながら、慎吾は何度もキスをしかけてくる。

 「んっ、慎・・・吾・・・・・」

 キスの合間に、名前を呼んでみる。すると慎吾は私の顔を覗き込んで悪戯っぽく囁く。
 「黙ったって・・・天音。昨日、天音にテニスで負けたんが、めっちゃ悔しいねん・・・。だから、今夜は泣かしたるわ・・・」

 成る程。テニスで負けた仕返しに来たらしい。この寒空の中、そんな事のために来るなんて、慎吾らしいというか。慎吾以外しないというべきか。
 どうやら、今夜は私は泣かされてしまうらしい。

 本当に泣かされたかどうかは・・・・気が向いたら日記に書く事にしよう。