2004年 1月 3日(土)

リクエスト

さっき、ようやく慎吾の腕から抜け出した。私はとても充実した気分で数日振りの日記を開いている。

昨日、慎吾が現れなかったときはどうしようかと思った。
最初は腹が立ったのが、次第に心配になってきて、終いには泣き出したいような気分になった。

たまには、こんなふうにはらはらさせられるのもいいかもしれない。
いつもあたりまえのように慎吾が側にいて、私はつい、無条件に彼の笑顔は私だけに向けられるものと思ってしまう。

だけど、慎吾にだって自分の考えがあり、行動をすることができるのだ。
私の締め付けがあんまりきついと、もしかして私に嫌気が差すことがあるかもしれない。
自戒を持って新年の抱負としよう。

…今のところは、慎吾は私の美貌と肢体に骨抜きになっているから心配は要らないが。


1日待ちぼうけを食らわされた私は、慎吾の顔を見てあんまり嬉しかったから、思わず色々サービスしてしまった。

まず、慎吾がリクエストしたのは、やっぱり悪代官ごっこだった。

お正月の晴れ着でそれは、変な皺がつきそうだったからなんとか勘弁してもらって、数年前に仕立てた紬でのお遊びとなった。

慎吾は「あの藤色がひらひらするんが見たいのに〜!」と、酷く不満顔で、私はその代償に、帯を解かれるときに「あれ〜。」と叫ぶことを約束させられた。

「あれ〜。」だって! 江戸時代の町娘だって実際にそんな悲鳴をあげるものだろうか?

脱がされるためだけに着物を着付けながら、私は何度も口の中で「あれ〜。」を反復しては、一人で顔を赤らめていた。
なんだかとっても馬鹿らしい気がした。

だけど、実際やってみると………よかった♪

なんだか、これから無理やりねじ伏せられる気分が増して…、帯や紐を抜くときの、シュッという音とあいまって、いつもより慎吾が大きく見えた。
いや、実際、慎吾はいつもより少し乱暴だったかも。
若い私たちは、数日の禁欲生活も苦痛なのだ。

布団も敷かない畳の上に、帯や紐が散って、開いた着物の上でそのままもつれ合う私たちは…きっととても絵になることだったろう。

他にも泡踊りだの、裸エプロンだの、慎吾のリクエストは際限なかったが、どこまで私が応じたかは、ここでは手控えておこう。


ところで、ここ数日の不規則な生活のお陰で、少しお肌の調子が悪い。
今日、たくさん慎吾に愛されたから大丈夫とは思うが、玉のお肌に吹き出物でも出来たら…月曜日から学校へ行けない。
大丈夫だろうか…。左のほっぺたが少し不穏な感じがするのだが…。