| 2004年 10月 19日(火) |
子犬達の反逆?
昨日は一日、私はお布団の中で過ごしてしまった。
ずる休み、と言う名の休養だ。
普段そんなに自堕落な生活はしていないつもりだが、やはりあの遊園地での出来事が尾を引いているのだろうか。
体が訴えてくるだるさにまかせ、とろとろと・・・浅い眠りを繰り返していたらしい。
何度も何度も、色々な夢を見ていた気がする。
良くは覚えていないが、あまり楽しい夢ではなかったようだ。
それでも今朝は昨日よりも幾分か気分がマシだったので、朝ごはんを軽く頂いてから学校に向かうことにした。
「天音さん今日も、もう一日・・・お休みされたら如何?」
靴を履き、鞄を手にした私におばあさまがそう声をかけられた。
「大丈夫ですよ、そんなに心配なさらないで下さい。昨日一日、お休みしたら楽にはなりましたから」
本当は、昨日はずる休みだったのだ。だがそれを知らないおばあさまは、かなり心配されているご様子。
「本当に大丈夫なのですか?ほら、お顔の色も優れていないのに・・・・・」
おばあさまの、ほっそりとした綺麗な指が私の頬を軽く撫でた。
「ご心配かけて、申し訳ありません。本当に、元気ですから・・・」
無理やりにでも、いつもの笑顔を作っておばあさまを見ると、ようやくその指が離れて行った。
「天音さんがそう仰るのなら、仕方ないですけれど・・・でも、本当に具合が悪くなったら直ぐに連絡を入れるのですよ?」
「はい、わかりました。では、おばあさま。行って参ります」
何だか小学生とその保護者のような会話だったな。
どうやら私は今でも、おばあさまから見れば小さな子供なのだろう。
学校に着き、鞄を教室に置いてから私は生徒会室に向かった。
1年生の頃からの習慣はそう簡単には抜けない。学校にいて、生徒会室に行かない日はどうも調子がおかしい。
「おはようございます」
私がそう声をかけて室内に入ると、咲良と瑞樹、隼人と白雪、そして・・・どうしてか祥太郎先生までもが顔を突き合わせていた。
「ん〜、こんな感じ?」
「そうそう、これいいじゃん」
「なぁ、白雪。お前、何が良い?」
「えー、俺こんな格好嫌だよ!」
「あっ、僕!僕これやりたいっ!!!!!」
私が来たことにも気が付かないで、何かを決めることに夢中になっているらしい。
「で・・・雪紀さんと、直哉さんがこれで・・・・・」
雪紀?直哉?????
「天音さんは、これっ!慎吾さんは〜・・・・・」
私?????慎吾???????
一体、何の話なのだ。
「お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す!皆さん」
足音も立てないように気を配りながら、私はその人だかりの背後で大声を上げた。
「うわっ、天音さんっ!!!」
「おはっおはっ・・・おはようございますっ!天音先輩」
思った通り、子犬コンビは床から数センチ程飛び上がって驚いたぞ。
「はい、おはようございます。で?朝から一体何の悪巧みですか?」
私や雪紀達の名前が出てきているのだ。私達に無関係な話ではないだろう。
何たって、1学期の試験休みの時に私に無断で行われた「プロレス」の前科が、あるからな。
咲良と瑞樹は・・・・・。
「何を騒いでいたんです?見せなさい?」
机の上に何かがあるに違い無い、と睨んだ私は咲良の頭越しにそこを見た。だが、何も無い。
おかしいな、無い訳はないんだ。
「嫌だなぁ、天音さん」
「そうですよ〜、人聞きの悪い。俺達が何をしてたって言うんですか?」
すかさず咲良と瑞樹が、私に笑顔を向ける。けれどその笑顔は純真無垢な笑顔には到底、見えない。
今までは可愛いばかりの子犬だったのに。
どうやら私に、逆らう事を覚えてしまったらしい。
「あー、んじゃお先に!」
「あっ〜、俺も戻ります!隼人、今日日直だっただろう?」
何故だかあたふたと、隼人と白雪の二人が生徒会室を出て行った。
「僕も、朝礼始まっちゃうから行くね!じゃぁ、また!」
祥太郎先生もばたばたと出て行く。
「咲良、瑞樹・・・・・本当に、何を企んでいるのですか?」
つい、そう零してまった私に、二人は揃って。
「「何にも、隠していませんよ〜」」
と答えると、教室へと戻ってしまった。
あれは絶対、何かを隠している。だが・・・何を隠しているのだろうか?