| 2004年 11月 22日(月) |
適材適所
まったく、まったく、まったくー!!!
祥太郎先生にはまんまと、煮え湯を飲まされてしまったではないですか。
あんなに可愛らしい顔をして、可愛らしい仕草も似合うと言うのに。
祥太郎先生の心の中は真っ黒黒のクロスケだったとは・・・・・・。
今までも、時折そんな風に感じた時もあったには、あったのだが。
きっと私は真実から目を背けていたに違い無い。
本当に、直哉はどうして。
あんなに「心の真っ黒い」祥太郎先生が好きなのだろうか。もしかして、精神的にMなのか?直哉の奴は。
それで、きっと夜な夜な祥太郎先生に苛められて、喜んでいるに違い無い。
そうだ、そうでなければ今までもあんなに邪険に?ひらりひらとかわされ巻くっていた祥太郎先生を、好きでい続ける筈がない!
私は勝手に、そう決め付けることにした。
そうでもしなければ、心の平穏は保ってはいられそうもないからな。
(・・・今、ここで私の心も真っ黒け、と思ったお嬢様方。素直に申し出なさい!)
それにしたって、あの写真は・・・おばあさまの手に渡ったら、流石に困るな。
慎吾に八つ当たりをしている姿は、まだ許そう。
だが、直哉に詰め寄っている姿やら、体育の時のあの無様な格好や、あまつさえ生着替えの写真など。
あれらがご丁寧に「額」に入れられて、お稽古場に飾られるなど言語道断!
どうにかして、祥太郎先生から巻き上げねば。
考える事、十数分。
私は浮かんだ名案に従うべく、いそいそと携帯を掛け始めた。
相手は勿論、慎吾だ。
『はいな〜、こちら慎吾くんでっせ〜』
数回のコールの後、へらへらした慎吾の声が聞こえてきた。
「慎吾、ちょっとあなたに頼みがあるのですが」
『何やねん。天音の頼みなら、例え火の中水の中、この慎吾様が!』
いえ、慎吾。水の中ならいざ知らず、火の中はどうかと思いますが???
「とにかく、電話では言いにくい事です。今から出て来れませんか?お夕食もまだでしょう?何なら、家でご一緒しませんか?それに明日はお休みですから、泊まる支度もしてきて良いですよ」
『ほ、ほんまか?!行く、今すぐ行くでっ!』
何を想像したのやら。
慌てふためいて、そこいらに転がってた雑誌にでも足の指をぶつけたのか「ぎゃっ」という、情けない声が聞こえてくる。
「じゃぁ、お待ちしてますからね」
そう言って、慎吾の返事も待たずに私は電話を切った。
大した時間もおかずに、慎吾は喜び勇んで来る事だろう。
私は、作戦を頭の中で練り上げる。
慎吾を上手く使って、祥太郎先生からあの恥かしい写真の数々と、メモリースティックを取り上げるのだ。
何、慎吾など。
私の生着替えの写真をあげましょう、と言えば簡単に乗ってくるに決まっている。
どんなに切れない鋏でも、使い方次第では道具になるのだ。
適材適所。何とかと鋏は使いよう。
ふふふ、待っていて下さいね、祥太郎先生。
私は諦めてはいないのですよ?