| 2004年 12月 11日(土) |
目白押し
週明けには、数学、物理、化学と私の苦手な教化のテストが目白押しである。
だから私は勉強をしなくてはいけないのだ。
いくら日々の予習復習を欠かさないとは言っても、それでもやはり準備は必要だろう。
それなのに…野乃香が邪魔をしに来るのだ。
「ね〜え、天音ちゃ〜ん、このお着物にはこっちとこっちと、どっちの髪飾りが合う〜?」
「…両方お似合いです。いっそ両方お付けなさい。」
「あ〜ん、そんな意地悪いわないで〜。天音ちゃん、ちょっとくらいこっち向いてよ〜。」
だから私は忙しいと言っているのに!
「いったいなんなんですか!」
「だからね〜、この髪飾り〜。」
「そうじゃなくて、なんで突然来るんです!」
少しきつめに言うと、野乃香は少し垂れかげんのまあるい瞳をパチパチと瞬かせた。
「天音ちゃんたら、聞いてないの〜?」
「何をです。私はテストで忙しいって言っているでしょう!」
「だって、天音ちゃんたらいつもお出かけで、もう今日を逃したら、後日程がないんだもん〜。」
「……なんの日程ですか?」
なにか嫌な予感に、思わず声を潜めると、野乃香はにっこりと笑った。
「野乃香の晴れ着の用意〜。天音ちゃん今年はお着物銀鼠なんでしょう?
野乃香、それに合わせて薄紅梅にしたんだけど、小物類がちょっと揃わないの〜。」
「な…なんで私の晴れ着にあなたが合わせるんです?」
「だから〜、お正月に結納するんだってば〜。」
「ゆ…。」
絶句。
いくらなんでも。
私の耳に一言も入ってないなんて。
おばあさま…。一体何をなさるんですか…。
「あっ、でも結婚式は成人してだから、安心してね。」
あ…当たり前です!
結婚式までそんな、闇鍋的にやられてなるものですか!
「あのねえ、おじいちゃまお抱えの占い師さんがね、野乃香の結納は今が最適だって卦を出したんだって〜。
だから、いきなりなお話なんだけど、でもおばあさまもそれでいいって言ってくださったよ〜。」
こんな…お隣同士でいつも鼻を付き合わせているのに結婚やら結納やらもどうかと思うが、それを占いで決めるなんて!
「だって、どうせ野乃香たち、愛のない結婚じゃない?
そしたら、運勢のいい時期に思いきってやっちゃった方がいいよう〜。
それに、冬休みは、皐月ちゃんがスキー合宿でいないから、野乃香暇なの〜。」
暇なの〜。で、こんな大事なことを決められてしまって…私はもう倒れそうだ。
しかし…野乃香のおじいさまと家のおばあさまが手を組んでしまわれたということは、これはもう決定事項なのだ。
ああああ…。どうしてこんな面倒くさいことが目白押しなのだろうか…。
そんなこんなで、すっかりテスト勉強どころではなくなってしまった。