| 2004年 12月 2日(木) |
わ・・・、私が?
「なぁなぁ、天音〜。昨日の夜、テレビみたか〜?」
「なんですか、朝っぱらから。テレビって、慎吾が見るような低脳な番組をどうして私が見なければいけないのですか?
だいたいあなたは、そんな余裕があると言うのですか?もうすぐ期末考査だって言うのに・・・・・・・・・。
第一、いつも赤点ぎりぎりのあなたに、今回のテストに何の救いがあると?
これで赤点でも取って御覧なさい、決まっている大学部への進学だってどうなる事やら。
向こうさんだって、いくら慎吾のスイマーとしての才能は買ってくださっていると言っても、あまりにもお馬鹿なあなたには興味なんてないんじゃないですかっ?!」
ぜぇぜぇ、はぁはぁ。
私の教室にふらりと現れた慎吾に、一息でここまで言ったら、息が切れたではないか。
何がテレビですか。
祥太郎先生に腸、煮えくり返っているこの状態で何を暢気にテレビなど見ろと?!
そんな心の余裕なんて、あるものか。
「何やねん、天音・・・・・・・・・。朝っぱらからテンション、たかいなぁ〜?」
だが、私の嫌味攻撃も慎吾には効果がなかったらしい。
単に、難しい言葉を使いすぎたか?あ、いや。慎吾に対して、と言う意味でだ。
「まぁ、そんな朝からきぃきぃ、言わんと」
そんな怒ってばっかりおったら、ほらここ。
そう言って慎吾の指が私のおでこに触った。
「皺、増えんで?!」
「なっ!な、何て事を言うんですかっ?!この、私に向かって!!!」
「やっ、せやから!ほら、皺が寄っとるや、ないかいっ!」
「あああ、もう!皺、皺言うんじゃ、ありませんっ!」
しまった。
教室にいた数人の生徒が、私を凝視しているではないか。
・・・・・・・・・白鳳の誇る、氷の女王の名前が。
私のイメージが。
ちょっと、これはやりすぎだったか。
そして私は散々に慎吾の頭を殴った教科書を、机の中に仕舞い込む。
「で?一体何のテレビだったのですか?」
こほんと一つ、咳払いをして。
慎吾に聞いてやる。
すると、途端に。
「せや!テレビやったんや!」
慎吾の背中越しに、茶色の太いしっぽが振られるのが分かる。
本当に単純な、男だな。
「天音の誕生日、2月28日やったんなぁ?」
「・・・・・・・・・そうですが、それが何か?」
まさか万年金欠病の慎吾が、今からプレゼントの話をする筈はないし。
「昨日のテレビでなぁ?誕生月だけじゃなくて、その日にちまで特定して運勢を占うっていうのを、やっとったんや!」
「で?」
「ほしたらな、今週末!」
慎吾がぐっ、と私のほうへ身を乗り出してくる。
何だろう、何かいい話なのだろうか。
思わず私も身構える。
「いっちゃん、運勢の」
「運勢の?」
「悪いのが!天音なんやねんっ!」
な、凄いやろっ?
「煩い!とっとと教室に、戻りなさいっ!!!」
ばんっ、と机を叩くと慎吾が瞬間固まった。
「何が一番悪い運勢ですか!そんな事聞いて、喜ぶ人間がいるとでも思っているのですか?!」
「でっ、あでででで!離して、離してんか〜!」
思いっきり慎吾の耳を引っ張って、耳元で怒鳴ってやる。
ふふふ、これで暫くは耳の奥が嫌な感じだろう。
ったくそれにしたって、どんな占い何だか。
365日の中で、今週末一番ツイてない、と言われた私はどうしたらいいのだ?