2004年 12月 22日(水)

楽しい企み?

「ほんでな、こう・・・・・・・・・」
「ええ、分かりました。で・・・?」

慎吾が私にごにょごにょと耳打ちをする。
少しくすぐったい感じがするので、私の首は縮まってしまうのだが。
そんな些細な事も、幸せだと思ってしまう。

「じゃぁ、慎吾・・・・こんなのは、どうですか?」

ここは私の部屋なので誰も居ないのだが、どうしてか二人でぴったりとくっついて、肩を寄せ合ってしまう。
傍から見れば、笑える姿なのだろうな。

さて、私達が何をごにょごにょと話しているかと言うと。
24日に行われるクリスマス会の余興の中で、罰ゲームをしようという事になったのだ。
・・・・・・・昨日の買い物の、途中で。
そのためにトナカイの被り物も買ったし、サンタの服まで用意した。
ゲームは勿論、カード類と・・・無難な所で王様ゲームなどどうだろう、という事になり。



「慎吾、罰ゲームはいいのですが。あなたが負けたらどうするんですか?」
「・・・・・・・考えとらんかったわ」
「私はいいですよ?カードでも何でもまず、負けないでしょうし」
「俺やって、負けへんで!」

鼻息も荒くそう言った慎吾だが、私の不安は募るばかり。
で。
今からイカサマの仕込をしようという事になったのだ。
咲良や瑞樹は、まぁいいとする。だが、雪紀や直哉はそれこそ一筋縄では行かない相手なのだ。
用意は念入りに、周到に。決してばれないようにしなければいけない。
そしてそれと同時に慎吾に、よくよく言い聞かせておかねばいけないのだ。

「いいですか?慎吾」
「おう」
「貴方が負けたら、あの恥かしい格好をしなければいけないんですよ」
「・・・・・・・分かっとるがな」

自分が思いついた罰ゲームを、思い出したのか。
慎吾の顔色が変わった。

「あんな姿を写真に撮られたいですか?」
「いやや!」
「祥太郎先生は必ず写真を、撮りますよ」
「・・・・・頑張るわ」

そうなのだ、パーティーには祥太郎先生もやってくる。そしてご自慢のデジカメで色々と激写をするに違いないのだ。
できる事ならば雪紀や直哉のあんな姿を撮りたいが、それよりも。
私は祥太郎先生のあの姿こそ、写真に収めてやりたい!
その為ならばイカサマでも何でも、する。
慎吾には是が否にも頑張って貰わなければいけないのだ。

「天音さん?怖い、んですけど」

ぼそりと慎吾が呟いた。
どうやら私は祥太郎先生扮する、罰ゲームの格好を思い描いて一人で笑っていたらしい。
慎吾の私を見る目に、怯えの色が浮かんでいるぞ?
失礼な。

「さて、慎吾。わかっていますよね?私の期待に応えてくれたら、あんな事やこんな事、そして・・・・・」
どんな事でもしてあげますよ?

その瞬間、慎吾の目の色が変わったのを私は見逃さなかった。
やっぱりこの脳ミソ筋肉には、これが一番効果があるのかもしれない。
馬の鼻先ににんじん。
慎吾の鼻先には、私。

さて、当日が楽しみだ。