2004年 2月 11日(水)

最強!おばば軍団・・・

 今朝は朝から憂鬱だった。何がって?お祖母様に言い付かった代理のお稽古が入っているのだ・・・。
 今日、明日と来られる生徒さんは皆、お祖母様や母の馴染みの生徒さんたちばかりなので、私よりも随分年がいっている。
 いや、年がなんだ、という話ではないのだ・・・。

 私が彼女達を苦手とするのは・・・・・・・・・あの人たちは凄いのだ、口が・・・・・・。

 お祖母様や母がいる時は、流石にそうでもないだろう。だが、時折学校帰りなどに外で出会ってしまう彼女達は・・・私なんかでは太刀打ち出来ないほど、口が滑らかなのだ。

 そんな事を思っているうちに、最初のお稽古の一団がやってきたらしい。
 仕方なく、玄関まで迎えに出る。

 「いらっしゃいませ、お待ち致しておりました」にっこり笑って、そう挨拶をする。
 本来なら、私が教えるのだからふんぞり返っていたっていいのだが・・・ここで愛想笑いを振り撒くのも、私の仕事の一つだ。

 「あら〜、若先生自らがお迎えして下さるなんて・・・・・」
 「ねぇ、私共も感激ですわ〜」

 随分年季の入ったお嬢様たちが、語尾にハートマークを飛ばしながらそう答えた。彼女達の目の形までハートに見えるのは・・・私の目がおかしくなってしまったのだろうか・・・。

 年甲斐もなく、きゃぴきゃぴと姦しい彼女達もお稽古に入ってしまえば、そこは流石だった。腐っても、お祖母様の生徒さん達だ。
 ぴたり、と無駄口を止め真剣に稽古に集中する。しかし、お稽古が終わってしまえば・・・・・。

 「若先生、いつ後をお継ぎになりますの〜?」
 「どなたか、いいお嬢様でもいらっしゃいますの?」
 「あ、私のお知り合いに・・・とても宜しいお嬢様がいらっしゃいますのよ」

 あちらこちらから掛けられる言葉を、私は笑顔一つで乗り切った。
 おほほほほほ、と笑いながら帰っていく元・お嬢様の後姿を見ながら私は非常に疲れていた。

 いつか、お祖母様の後を継いで・・・・・その時、私はどうすればいいのだろう。どんなに「良いお嬢様」が、と勧められても私はそれに応える事は出来ない。
 慎吾以外は、いらないのだ。