2004年 2月 13日(金)

慎吾の為に・・・愛を込めて・・・・・・

明日はいよいよ慎吾が帰ってくる。

今日は独りでケーキ作りに専念した。

乃ノ香に教わった事を思い出しながら、台所で格闘する私。
気分を盛り上げるため(?)にも、瑞樹に借りたエプロンを身につけ、チョコレートを刻む。

幾分手つきがマシになったとはいえ、何度もチョコと一緒に、手を切ってしまう。

 「痛っ・・・・」

削いでしまった指先から血が流れ出る。
慌ててポケットから取り出した絆創膏を貼り、再び包丁を握る。




 「出来た・・・・・」

指を切り、火傷を繰り返しながらも、何とか慎吾へのプレゼントが出来上がった。

 「これを切ったらちゃんとチョコレートは上手く流れだすんでしょうか・・・・」

このケーキの特徴である中のトロッとしたチョコレートが、上手く封じ込められているか、心配だ。
しかし切るわけにはいかない。

明日慎吾に見せるまで、不安は残るが、失敗していたとしても、慎吾はきっと喜んでくれるだろう。
何といっても、この私が愛を込めて作ったのだから。

 「明日が楽しみですね・・・・・・」

ケーキを箱に入れ、綺麗にラッピングする。
料理と違って、こういう事は上手い私だ。

綺麗にラッピングした箱を持って、自室に戻った自分の姿を見て、私は笑いが出た。
 上から下までチョコレートまみれの自分が、鏡に映っているのだ。

 「あー・・・エプロンが役に立ってないですね・・・・」

瑞樹に借りた真っ白なエプロンも、チョコレートで真っ黒というか、真っ茶色になっている。

 「ふふふっ・・・・この姿を慎吾が見たら、私が食べられちゃいそうですね・・・・・」

 『天音・・・・美味そうやな・・・・俺に味見させて・・・』

ここには居ない慎吾の声が聞こえたような気がして、私の身体に熱が溜まる。

 無意識のうちに自分の手をジーンズの前に下ろして、熱を孕みつつある場所に触れ、私はそこで我に返った。

 「いけない・・・・明日には慎吾が帰ってくるのですから・・・・」

私は軽く自分の頬を叩くと、着替えを持って浴室へと向かう。

明日の慎吾との熱い夜の為に、私は自分を慰めるのを我慢する。
少し冷たいシャワーを浴びて、身体の熱を誤魔化したのだった。

 「慎吾・・・・早く帰ってきてください・・・・・」