2004年 2月 28日(土)

My Birthday ☆彡

今日は私の誕生日!!
 咲良と瑞樹の提案で、生徒会室で私の誕生日パーティーをすることになった。

土曜日は学園がお休みなので、お昼過ぎに生徒会室に来るように私は言われていた。
 ゆっくりと朝寝坊をして、家を出た私は、指定された時間ぴったりに生徒会室に到着した。

 「おはようございます・・・・」

笑顔で挨拶して入ると、咲良と瑞樹がクラッカーを鳴らして出迎えてくれた。

 「天音先輩〜いらっしゃい〜〜〜〜♪」
 「今日はどうもありがとうございま・・・・す?」

私は笑顔で挨拶をしようと、2人に視線を向け、その場で目を瞠った。

 「何ですか・・・その格好は・・・・」

咲良と瑞樹はお揃いで「バニーちゃん」の格好をしている。
いや、バニーちゃんといえども、よくある「エッチくさい」バニーではなく、真っ白なファーで出来た着ぐるみ風。
しかし、セパレーツタイプの為、へそ出しで少しエッチかも知れない。
そして、もちろん頭にはふわふわの耳が付いているし、何故か可愛く二つに髪を結わえている。

いったい誰の好みなんだか・・・・・・

文化祭のとき、あれほど女装を嫌がった2人とは思えない。
きっと2人は私の為にやってくれているのだ。
可愛いじゃないか。

私は親愛の意味を込めて、2人を抱きしめて頬にキスをした。

 「ありがとう・・・咲良も瑞樹も可愛いですよ」

すると2人は嬉しそうに微笑んで、私の手を引いた。

 「さ・・・天音さんこっちに来て下さい。俺たち色々用意したんです」

私は2人に引っ張られるようにして、ソファーに連れて行かれた。

 そこには様々な料理が用意されていて、シャンパンまで準備されている。

 「なんだか凄いですね・・・・・」
 「えへへ・・・・俺たち昨日デパートをハシゴして買ってきたんだよ」

自慢そうに咲良が応えた。
私がもう一度2人にお礼を言うと、ドアのほうから賑やかな声が聞こえてきた。

 「遅くなってスマン・・・・」
 「おおっ間に合うた・・・・」
 「こんにちわ〜〜〜〜〜」

次々と生徒会のメンバーが入ってくる。

 全員が揃い、シャンパンで乾杯をした。

高校生にもなって、こんな風に誕生日を祝ってもらうのは、何だか恥ずかしい。
でも・・・・とっても嬉しい。
良い仲間を持ったと、実感する私だった。





 「はいは〜〜〜〜い皆さん、注目〜〜〜〜〜」

他愛も無いお喋りをしていると、咲良が手を叩いて、皆を呼んだ。
 みんな会話を止めると、咲良に注目する。

 「それでは、これから俺と瑞樹から天音さんにプレゼントを贈呈したいと思いま〜す」
 「プレゼント?なんでしょう?楽しみですね・・・・・」

私は期待してプレゼントを待った。


 「お待たせしました〜」

そう言って瑞樹は可愛らしいバスケットを持って来た。

 「はい。天音先輩、俺からのプレゼントです」

私が瑞樹からそのバスケットを受け取って、中を開けようとした時、瑞樹の一言が気にかかった。

 「可愛がってくださいね」
 「えっ!?」

私は嫌な予感と共に蓋を開く。
同時に小さな子猫が「にゃ〜・・・」と顔を覗かせた。

 「ひっ!きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

その瞬間、私は今まで出したことも無い悲鳴を上げることになったのだ。

 「どうしたんや、天音」

悲鳴を上げた私の側に慎吾が駆け寄る。

 「ね・・・猫・・・猫・・・・」

放り出すことも出来ず、私がバスケットを持ったまま固まっていると、慎吾がバスケットの中を覗き込み、問題の物体を抱き上げた。

 「うわ・・・・可愛ええやん・・・・」
黒とグレーの模様の子猫は、慎吾の頬をペロペロと舐めている。
 
 「なんや・・・天音、猫嫌いなん?」

 そう・・・・・私は誰にも言っていなかったが、猫が大の苦手なのだ。
私の弱点と言っても過言ではないくらい。
 他の動物も猫程ではないが苦手だ。
 普段動物になんてそうそう遭遇しないので、みんなにバレずにいたが・・・・・
こんな事態が起こるとは、流石の私も予想していなかった。

 「ひどいなぁ・・・こんなに可愛ええのに・・・なぁ?」

そう言って慎吾は猫の身体を掴んで、私のほうに向けた。
 言われて視線を送ってみると、猫の身体がびよーんと伸びて・・・・・気持ち悪い。

いや・・・猫はそういう身体の構造をしているのは分かっているが、やはり気持ち悪い。

 「慎吾!こっちに連れてこないでください!!」

そう叫んだ後、私ははっとして、瑞樹と咲良を見た。

 「天音先輩・・・・猫嫌いだったんですか・・・・」

2人とも泣きそうな顔をして呟いた。

 「お前ら、何で天音に猫をプレゼントしようと思ってん?」

気まずさに無言でいる私の変わりに、慎吾が2人に尋ねた。

 「俺の父のやってる動物病院で、子猫の里親を探してて・・・・天音先輩可愛い物好きだから・・・いいかと思って・・・・」

そこまで言って瑞樹は泣き出す寸前のように顔を歪めた。

 「瑞樹・・・・・・」

気持ちは有り難いが、こればかりは受け取れない。
 複雑な空気が部屋の中に流れるのだった。