2004年 3月 16日(火)

ついついエキサイト・・・・

 温泉から上がり、気持ちよくさっぱりした私は、瑞樹の部屋を早速訪ねた。

 「瑞樹?ちょっと相談があるんですけど・・・・」
 「天音先輩、いい所に来た!!」

顔を覗かせた私を見て、瑞樹が目を輝かせた。

 「俺暇だったんですよ〜持ってきた本は全部読んじゃったし・・・・」
 「はあ・・・・」
 「だから、天音先輩俺とこれで遊びませんか?」

そう言って瑞樹はウキウキしながら、鞄から「オセロ」を取り出した。

 「オセロ・・・ですか・・・」
 「はい。カノンとやろうと思ってたんだけど、ゲレンデに行っちゃったから・・・」

私は暫く考えた後、瑞樹の誘いに乗った。
 オセロをしながらでも話は出来る。

 「それならリビングでやりましょうか?皆が帰ってきたらすぐ分かりますし」

私は瑞樹と連れ立ってリビングへと向かった。




 それから数十分後・・・・・・・・・

 「み・・・瑞樹、なかなかやりますね・・・・」

私は相談事も忘れ、オセロに熱中していた。
 以外にも瑞樹は強く、話をする余裕も無い。

 余計な事を考えず、ただひたすら碁盤の上を見つめ、頭を働かせる。

 「これでどうです?」
 「あっ・・・・・」

私は自分のコマを置いて、瑞樹の陣地をひっくり返していく。

これで私の勝利!!と喜ぼうとした瞬間、背後から衝撃を受け、思わず碁盤に手を突いてしまった。

 「ああっ!!」

折角勝っていたのに、私が手を突いた所為で、全てがぐちゃぐちゃになってしまった。

 「何やってんの?おおっ、オセロかいな・・・懐かしいやん。俺にもやらせて〜」

私の勝利を無にした犯人、慎吾が瑞樹をどかして、私の目の前に座った。

 「ちょっと・・・慎吾先輩割り込まないでください」
 「ええやん。ほな天音勝負や」

文句を言う瑞樹を軽くあしらい、慎吾が私に勝負を挑んできた。

 「私に勝てると思ってるんですか?」
 「俺は昔『ゼブラのしんちゃん』と言われた男やで、なめたらあかん。」
 「なんですか?『ゼブラのしんちゃん』って・・・・」
 「オセロって白と黒やん。せやからゼブラのしんちゃん」

自信満面に胸を張って応える慎吾に、瑞樹の顔も引きつっている。

 「勝負するなら何かかけましょう・・・・そうですね・・・・もし私が勝ったら慎吾は何をしてくれますか?」
 「う〜〜〜ん・・・・何がええかな?あっ俺が勝ったら、天音マッサージしてな。全身の。スキーで身体中痛いねん」
 「わかりました。では私が勝ったら、慎吾は祥太郎先生に、直哉のことをどう思っているのか探りを入れてください」

私がそう言うと、横に居た瑞樹が声を上げた。

 「えーーーっ天音先輩、それは無理でしょう・・・慎吾先輩はきっと言いくるめられますよ」
 「なんや瑞樹。まるで俺が負けるみたいに思ってるやろ?絶対勝ってやる」

瑞樹の非難の声を聴いて、慎吾の闘争心に火がついた。

大型犬の慎吾が、懐いて聞き出したら、祥太郎先生もポロリと本音を漏らすかもしれない、そう思った私は慎吾を負かすべく、頭脳をフル回転させる。

 「勝負や!天音!!」

こうして私と慎吾のオセロ対決が始まった。