| 2004年 4月 19日(月) |
白鳳クイズ大作戦、2
今日は月曜日。本来なら今週も生徒会の仕事は山のようにあったはず・・・。いや、いまでも仕事は山のように残っているのだが・・・それどころではない。
何とか、何とか隼人に咲良と瑞樹を認めさせてしまわないと。あのお気楽で可愛い子犬コンビが今日もまた、憂いをおびた表情で生徒会室に来た。
「咲良、瑞樹・・・どうしたのですか?」
私は、これはもう決まり文句になってしまった台詞を飽きずに言う羽目になる。
「天音さん〜」
「天音センパイ・・・」
案の定、咲良と瑞樹は声を揃えて私の名前を呼ぶ。ああ、ほら・・・大きな目に涙を溜めて。
「今日は何があったんですか?」
私は二人に気付かれないように小さく溜息を付くと、これもまたお決まりの通り・・・二人の頭を撫でてやる。
「今日は・・・昼休みに・・・」
「そうです、昼休みに・・・・」
「購買で」
「お昼を買おうと思って行ったら・・・・・」
購買?学食に行けば簡単に食事は出来るのに?
「なぁ、瑞樹」
「うん、咲良。折角今日は、ここでお昼を食べようと思ってパンを買おうと思ったんだよね・・・」
「そう・・・・なのに・・・なのに!!!」
「隼人ったら!」
「自分のが遅く来たくせに〜」
「ちょっと、自分の方が大きいからって・・・」
「『どけよ、生徒会のちびコンビ!』なんて言って・・・・・」
「無理やりどかされたんだよね・・・・・」
そう言って、ふぅ、と溜息をついた二人はどうやら早々に隼人に尻尾を巻いたらしく怒る気力もない様子。
私は又もや、頭がクラクラして来たので指でこめかみを押さえた。良かった、ここに雪紀が居なくて。いい加減、毎日毎日咲良がこんな様子で私に懐いているのを見られでもしたら、隼人の前に私のほうが雪紀に嫌がらせをされてしまいます。
「お、もう来てたんか〜」
「慎吾さん!」
「慎吾先輩!!」
小犬達は私から離れて慎吾に飛びついた。
生徒会室に何気に漂っていた、暗い空気が慎吾の登場によって払拭される。
こんな時、私は慎吾という人間を見直してしまう。
「慎吾、首尾は?」
私は生徒会室に置いてある、私専用のグラスに氷を沢山入れてアイスティーを慎吾の前に置いてやる。
「さんきゅー。冷たそうやし・・・うまそうやな〜」
そう言って豪快に飲み干す慎吾に、子犬達が羨ましそうな視線を向けていたので、私は無言で二人の前にもグラスを置いてやる。
「で、どうでした?顧問に掛け合ってくれたんですよね?」
「おう、バッチリや!プールの使用許可はちゃんと貰ってきたで〜」
ほら、みいや・・・と、慎吾は私の書類を差し出した。
ああ、大丈夫そうですね。きちんと水泳部の顧問の印鑑もおしてありますし・・・。使用目的も「クイズ大会」となっていますし。
慎吾が貰ってきたにしては、ミスもなく完璧な書類だった。
「慎吾、ありがとう御座います。プールの使用許可は下りましたし・・・後は、雪紀と直哉が先生方を口説き落とせば・・・」
今度のクイズ大会では、単純なクイズの他にプールを使った競技?や・・・グランド中を走り回って貰ったり、校内もくまなくそれはもう、ありとあらゆる所を使用して行う事を予定している。
これは、少しでも咲良や瑞樹に有利なように・・・と。私が考えた事だった。
1年生よりは、2年生の咲良や瑞樹の方が校内には詳しい。そして、問題も・・・咲良や瑞樹が得意そうなものを中心に考えさせている。
流石に、生徒会役員として私が考える訳にはいかないので・・・親衛隊の一人、クイズ研究会の部長を抱きこんで問題を作らせている。
え、汚い?・・・・・違いますよ、皆さん。
今回は、今回だけは「勝てば官軍」なのです。