| 2004年 6月 21日(月) |
台風襲来?
「だから、どっちがやめるんです?生徒会?それとも朝井?」
廊下から聞いていてまるで「ヤクザ」が恐喝しているように聞こえてしまう程、非常に柄の悪い声の主は隼人でしょう。
とにかく声を聞いているだけで「不機嫌」という名のオーラを纏っている姿が眼に浮かびます。
事の発端は、先週の土曜日の行われたプール開きでした。
栄えある?白鳳マーメイドに選ばれた「高見白雪」君がが大騒ぎをしてしまって、その結果、水着が脱げてしまうというアクシデントが起こってしまいました。
その際に実行委員の中に飛び込んで行って大暴れしたのが、隼人だったのです。
隼人が来ている事を知っていて、生徒会室の中に入りたくなんてないのですが。
けれど、私にだって仕事はあります。ましてや、隼人の「咲良・瑞樹・祥太郎先生」に対しての態度を知っているだけに、私だけが逃げ出すなんて真似は出来ません。
仕方なくドアを開ければ、隼人が生徒会長である雪紀の前に仁王立ちしていました。
「だから、何故俺達が辞めなければならない?白鳳マーメイドは毎年行われる恒例行事だし、その内容によって今まで一度もこんなクレームが付いた事はないぞ?」
会長机に両肘をついて、組んだ手の甲に顎を乗せて・・・・笑顔さえ浮かべている雪紀だったが、内心相当イライラしているのが私には見て取れた。
「だからっ!今までの事なんてどうでもいいだろっ!白雪にあんな恥をかかせておいて、生徒会には何も責任はありませんなんて通ると思ってんのかよ、雪紀さんはっ!」
ばんっ、と机に手を叩き付けて隼人が喚く。
「・・・・・生徒会に責任があるのか?マーメイドは代々続けられている学校行事だ。この件についてだけは、我々生徒会は一切の手出しをしていない。だからこそ、実行委員は一般の生徒から選ばれているし、去年・一昨年と選ばれたマーメイドは生徒会関係者だぞ?なぁ、天音」
くぅっ!雪紀め。
隼人の相手をしたくないものですから、私に話を振ってきましたね。
ああほら、隼人が私を睨んでいるじゃないですか。
「そうですよ・・・。一昨年のマーメイドは私、去年は祥太郎先生です」
出来るだけにっこりと微笑んで、私は隼人に告げた。
「何で、そんなのに選ばれて平気な顔してるんだよ・・・・・。どうして文句言わないんだよ!」
やっぱり、思った通り。隼人の怒りが私に向いてしまいました。
「怒る事なんですか?」
「だって、嫌じゃないのかよ!男のくせに案なのに選ばれて何が嬉しいんだよ?!」
隼人が足をドンドンと踏み鳴らす。相当頭に血が上っているようです。
「マーメイドだなんて、ようは女みたいだから選ばれるんじゃないかっ!」
それは言ってはならない言葉だと、どうして隼人は思わないのでしょう。その言葉に、私の眉間に怒りマークが浮かんでしまいました。
「ふっ、ふふふふふ・・・・・隼人。あなた、言葉の使い方を間違っているようですね・・・・・」
私が気分を害した事に気が付いたのか、雪紀が面白そうに私と隼人を見ています。
雪紀を楽しませて差し上げる義理はありませんが、こんなお馬鹿な子供は一度きちんと泣かせてあげなければいけませんね。
まったく、この私が女みたいですって?選ばれて嬉しいかですって?!
嬉しいに決まっているじゃないですか。この私が学校一美しいと認められた結果なのですから。
そんな事も分からないのでしょうか、隼人は。この私に喧嘩を売っているのでしょうか?
いいでしょう。売られた喧嘩は買って差し上げますよ?
これ幸いです。二度と私達に逆らえないようにこの機会にきちんとしつけてあげましょう。
本当に直哉の弟とは思えないぐらい、隼人はお馬鹿です。自分が白雪君の事を好きで、それで怒っているだけだって何で気が付かないんでしょうねぇ・・・。
もしかしたら、あの筋肉お馬鹿の慎吾よりも・・・・・恋愛下手なのかも知れませんね。
なんにしてもお陰で暫く退屈しなくて良さそうです。