| 2004年 6月 30日(水) |
日程発表
期末考査の日程が発表になった。
7月6日から8日、クラスによっては9日までとなっている。
雪紀や直哉、私は最終日の9日まで持ち越すが、慎吾は8日で終わりとなる。
「さて、あと1週間・・・どうやって、慎吾に勉強させますか・・・」
私は生徒会室のソファーに座って、先ほど教室で配られたプリントを手にしながら悩んでいた。
問題は、やはり8日。数学と英語が同日に行われるのが痛い。慎吾の場合、数学の計算問題はまぁ、なんとかなりそうですが。
何といっても応用が利かないのが難点だし、英語に関しては壊滅的だ。
いっそのこと、校内にいる間は咲良や瑞樹と一緒に勉強させた方がいいかも知れない。数学は瑞樹がカバーしてくれるし、英語は咲良が何とかしてくれるかも・・・知れない。
そして夜は、私がどうにか首根っこを捕まえてさせれば。・・・難しいかも知れませんが。
昨日の様子を見た限り、あれではどうにもなりません。
何が「砂糖断ち」ですか。ステビアだって、立派な甘味料です。
本当に、ああ言えばこう言う。一体、お馬鹿慎吾がどこで「ステビア」なんて覚えて来たのか。
・・・ああ、今日も約束の時間に慎吾は来ない。
痛む頭を抱えて、探しに行こうと立ち上がったその時。直哉が、来た。
「・・・・・・・天音」
「・・・直哉、お久しぶりですね」
厭味をたっぷりと込めて、そう挨拶する。直哉は入り口で固まっている。
「最近、中々貴方の顔が見れなかったので、心配していたんですよ?」
私は固まっている直哉に、更に追い討ちをかけた。別に、直哉が嫌な訳ではないが・・・坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、という事です。
第一、隼人があんな風なのは直哉にも一因がある。
隼人の顔を思い出して、昨日の光景が脳裏に蘇った。あれを、教えない手はない。
「そんなに警戒しないで下さい。直哉にいい事を教えてあげますよ」
「良い事?」
直哉は私を思い切り警戒している。けれど、何を言い出すかと興味もある様だ。
「ええ、隼人の事です」
「・・・・・またか」
隼人の名前を聞いた途端、直哉の顔が曇る。まぁ、そうだろう。入学からこっち、隼人が起こしたトラブルで直哉は下げたくも無い頭を下げ通しなのだから。
ならば余計に教えて上げなければ。
「どうやら隼人は、祥太郎先生の試験をサボる気らしいですよ?しかもクラス中に宣言しているらしいですし?」
最後の「クラス中」というのは、嘘ですが。
「隼人の事ですから、言った以上やるでしょうねぇ。そうしたら祥太郎先生は、また職員会議で叩かれますね。生徒が試験をサボった原因が教師だと・・・」
「天音、教えてくれて助かった。今度、礼はする!」
私が言い終わる前に、直哉は踵を返して走り去ってしまった。きっと隼人を探しに行ったに決まっています。
『礼をする』と言ったのですから、球技大会で返して貰いましょう。
隼人と剣道の試合をしてもらう、なんていうのも面白そうですね。直哉の背中を見送りながら、私はそう思った。