| 2004年 7月 25日(日) |
まだ見ぬ将来
私が目を覚ますと、時計は午前9時を少し回っていた。どうやらいつもより、かなり・・・寝過ごしてしまったらしい。
期末考査に続いての球技大会で、思った以上に疲れが蓄積していたのか。
それとも・・・・・久々に慎吾と濃密な夜を過ごして、その疲れだろうか。思えば腰が、かなりだるい。
さて、何を置いても今日からは夏休みだ。
試験休みの期間があったにせよ、終業式が終わってようやく「夏休み」が迎えられるのだ。
昨日は久々に役員全員が生徒会室に集まった。そして私の計画通り、隼人と白雪の生徒会入閣?が決定した。
今までは隼人の横暴ぶり?ばかりに目が行ってしまっていたが、いざ蓋を開けてみればあれはあれでかなり扱いやすい事が判明した。
つまるところ・・・・・要は「直哉」を引き合いに出して散々比べてやれば良いだけの話だった。
あの様子なら私たちが引退して後、咲良が会長になっても案外うまく生徒会は機能して行く様な気がする。それに白雪という稀有な「ストッパー」だっている。
そう思うと、私は肩の荷がようやく降ろせた気がした。
さて、正真正銘の夏休みだ。これが高校生最後の。
もちろん私は白鳳の大学に進学をするつもりだし、慎吾も今のままなら「運動特待」で進学出来る。
少なくとも後4年は、慎吾と一緒に学生生活を送れるし、休みも過ごせる。
だけど。
その後は、どうなるのだろう。今までこんな事は考えた事などなかった。
私の隣には、必ず慎吾がいる。それが当たり前だと思っていたのに。
隣で眠る、健やかな慎吾の寝顔に私の胸がどうしてか痛くなる。大学卒業後、私はおそらくこの家を、継ぐ。
それがおばあさまの方か、父の後を継ぐのかはまだ判らないけれど。
雪紀にだって、既に敷かれた道はある。雪紀の祖父は病院を経営しているし、父親はホテルを含む複数の事業を展開している。
あの雪紀の事だ。敷かれたレールの上を素直に走る筈もないが、それでも。職に困る事はまず無い。
直哉だって、そうだ。あいつは馬鹿正直に今まで通り、雪紀を支えてそしてその隣を歩いていくのだろう。
でも、慎吾は?
私のためだけに、体一つを武器に。ここまで一緒に来てくれた。
慎吾の才能は、誰よりも私が一番良く知っている。世界にだって通用するスイマーだと、断言できる。
でも、慎吾にはそんな欲はないだろう。私の側にいる為だったら、世界すら簡単に捨ててしまえるんだ、この男は。
国内の競技会以外出たがらないのが何よりの証拠。私と離れるのが、嫌だから。私を一人にしておきたくないから。
たったそれだけの理由で、将来を捨ててしまえる慎吾が・・・怖い。
それでも。
この腕の温もりを、手放す事など私には出来ない。