2004年 7月 30日(金)

お遊びの代償?

 「おい!筋肉蝶々!!先に言っておくけど、俺は何にもしてないからなっ!」

 わかってんのか?!と、先に声を上げたのは隼人の方だった。どうやら慎吾に難癖付けられる前に、先制攻撃と言ったところか。

 「お前・・・隼人なんかっ!ほんの少し目ぇ離した隙に・・・俺の天音を狙うなんて、いい度胸しとるわ〜」

 私の腕を掴んでいる相手が隼人だと分かった途端、更に慎吾の声の凶暴さが増した。
 これは、かなりまずいのでは?
 
 どかどかと足音も高く慎吾は私達の所まで来ると、物凄い勢いで・・・隼人に捕まれている私の腕を引き剥がした。

 「痛い!」
 「何すんだよっ!」

 私と隼人と同時に・・・非難の声を上げる。が、慎吾は知らん顔だ。

 「いつまで天音の腕、にぎっとんのや。さっさと離さん方が悪いんや」
 「だからっ!俺は何にもしてねえって言ってんだろっ!人の話も聞けねえのか?この筋肉蝶々はっ!」
 「せやし!俺の天音がほないな事する訳ないやんっ!」

 まるで私を抱きかかえるようにして、慎吾が叫んだ。
 ・・・・・いえ、私です。私が隼人を、からかって遊びました。

 そんな心の声が届いたのだろうか。

 「・・・・・・・・天音?まさかそんな事、しとらんよなぁ・・・?」

 恐々と慎吾が私の顔を覗き込んでくる。

 「・・・・・・・・・・・」

 私は何も言えず、笑って誤魔化す事にした。

 「天音、ちょおこっち来てや?ここやなんだし・・・ゆっくりと、話・・・聞きたいなぁ?」

 慎吾が私を抱きかかえたまま歩き出す。なんだか顔が引きつっているような気がする・・・のは、私の気のせいではないだろう。

 「おいっ、勝手にそこで纏まってんなよっ!一言位謝ってからいけよっ!」
 「じゃかあしぃ!そんなん後や!」

 隼人の怒りもなんのその。一言で黙らせると慎吾は私を寮の自室に引きずり込んだ。


 かちゃり、とドアに鍵がかけられる。

 「天音、さっきのはどういう事か聞かせて貰いたいんやけど?」
 
 震える声で慎吾が私に聞いてくる。怒ってはいるのだ、きっと。でも、私に乱暴する事もなく・・・声まで震わせて耐えているのかと思うと、何やら急に慎吾が愛しくなる。
 と同時に、ほんの出来心とは言え悪い事をしてしまったとの思いが湧き上がる。

 「慎吾・・・ごめんなさ・・・・」
 素直に謝ろうとした私は、急に強い力で慎吾に抱きしめられる。

 「・・・ほんま、驚いたわ。まさか浮気・・・ちゃうよな?隼人相手に、そんな事せぇへんよな?」
 「隼人が相手じゃなくても、浮気なんてしませんよ・・・」
 「ほんまに?絶対?」
 「ええ、少し酔ってしまって・・・。隼人は酔ってないのかなって思ったので、顔を触ってみたら・・・慌てた隼人が私の腕を掴んだのですよ」

 多少事実に脚色はあるが、言い切るに限る。

 「なんや〜。天音が誰かに襲われたか思うて、慌てたやん!」
 ころりと?騙された慎吾が普段通りの笑顔を見せてくれた。
 嬉しくなった私も、つられて笑う。

 「天音・・・・・」
 「んっ!」

 名前を呼ばれたかと思うと、慎吾にキスをされた。少し肉厚の、慎吾の舌が遠慮なく私の口腔内を蹂躙する。

 「んっふ・・・ぅっ・・・慎・・・・吾」

 キスの合間に慎吾の名前を呼べば、飲み込みきれない唾液が私の顎を伝って落ちる。
 
 「・・・天音。なぁ、安心させてぇな・・・。天音が俺のもんやて、俺に分からせてぇな・・・」
 抱きしめられて、切なそうな声でそう言われたら・・・誰が拒めるだろう。

 「いいですよ・・・、今から証明してあげます。私が、誰のものかを・・・・・」

 私は自分で着衣を脱ぎ捨てた。明かりの付いていない室内には窓の外からの月光しか光源はない。けれども暗闇に慣れてしまった目には十分、私の裸体は見えるだろう。
 戸惑うことなく全ての着衣を脱ぎ終わると、私は慎吾をベッドの淵に座らせて・・・そして、その足の間に体を滑り込ませる。

 「・・・・・天音・・・・」

 服の上からでも、慎吾のそこが十分熱を孕んでいるのがわかる。
 私は跪いたまま慎吾のハーフパンツのファスナーを下ろし、中から飛び出してきたものに舌を絡める。
 この、慎吾の熱さすらが愛おしい。
 
 私の口に全部を含むには大きすぎる慎吾のそれを、出来る限り口に含んで。根元を指で押さえ込み、先端から順に舌で丹念に愛してやるとそれは益々大きくなっていく。

 「っ、天音・・・あかん・・・ほんなんされたら、もたへんや・・・ないかい・・・」
 「あっ!」
 
 折角こうして心を込めて愛しているのに、慎吾の大きな手が私の口を遮ってしまった。

 「駄目ですよ・・・私が慎吾を愛している事を、証明しているんですから。邪魔しないで・・・」

 そう言って再び続けようとした私はベッドの上に横たわった慎吾のお腹の上に引き上げられてしまった。

 「せやかて・・・俺、天音の中に入りたいもん・・・そんなに舐められたら、入れる前にいってまうわ・・・」

 欲望を滲ませた声で言われて、私の体も震える。
 
 慎吾の指が私に伸ばされ、触れてくる。ここに入れて?とばかりに、慎吾を受け入れる所をやわやわと指で押されれば私の体も簡単に解けていく。

 どうやら今夜はこのままの状態で、私から慎吾を受け入れなければいけなくなりそうだ。

 「天音・・・好きや」
 だから、愛して?と言われて私はゆっくりと慎吾の上に腰を降ろした。