| 2004年 8月 16日(月) |
猜疑心
今日は少々暑い。
ここ数日、多少過ごしやすい日が続いていたがやはり日本の夏なのだな、と私は思う。
この体に纏わり付くような湿気と、暑さ。
もうすこしからりとしてくれればまだ過ごしやすいのに。
先日、慎吾に愛され過ぎた体は今でも何となく重だるいような何ともいえない感じだが・・・。それでも家人に慎吾との付き合いを認めて貰えたという事実が何よりも私の気持ちを浮き立たせていた。
やはり・・・この「国見」の家という環境に感謝しなければならないのだろう。
芸事をしている家だからこそ、私や慎吾の関係をすんなり受け入れてくれたに違いない。幼い頃から泣いて逃げ出したい気分になった事も多々あったが、こうして思い返してみれば「国見」の家には感謝の気持ちしかない。
けれどもろ手を挙げて喜んでばかりは入られない。
あれ以来、野乃香からはこまめにメールが入る。
どうやら慎吾を皐月に紹介しようと言うことらしいが、私は今一気が乗らない。
野乃香にしてみれば私と自分との婚約が決まった事で、今度は皐月を慎吾とくっつけてしまおうと考えたらしい。流石はお嬢様育ちの野乃香の考えることだ。
私は家の為という名目上、野乃香との結婚を承諾せざるを得なかった。慎吾もそれには賛成している。(本心はもっと反対して欲しいとも思ったのだが)
野乃香も然り。
けれど、慎吾には偽装結婚など必要ない。どうして皐月を慎吾に会わせなければならないのか、私には理解できない。
もし会わせて・・・・・どちらかが、本気になってしまったらどうするのだろう。
いや、慎吾が私以外の人間に心を移すような事は有り得ない。何といっても背中一面にあの恥ずかしい告白を背負っているのだ。しかし・・・世の中には「万が一」と言うこともある。
野乃香や私のように、どうしても子供を持つ事が必要な人間だっている。
皐月の家がそんな家ではないとどうして言い切れる?野乃香の学友だ・・・そこそこ良い家の息女に決まっている。
慎吾は私の子供なら抱かせて欲しい、と言ってくれた。けれど、私には慎吾が余所に生ませた子供を抱きたいなんて思えない。
心が狭いと言われようが、なんと言われようが嫌なものは嫌なのだ。
慎吾が私以外の人間に触れるなんて・・・許せない。
何としても野乃香の考えの矛先を、慎吾から逸らさなければいけない。