| 2004年 9月 12日(日) |
仕方なく・・・・・
結局私は仕方なく瑞樹と咲良の演説用の草稿を考える事になった。
無理無理2人に書かせても良いのだが、隼人、白雪、咲良、瑞樹、誰一人として欠けてはならない。
多分大丈夫だと思うが、万に一つ、誰かが欠けては生徒会が纏まらないだろう。
「さて・・・・・どういう方向性でいきますかね・・・・」
私が原稿用紙を前に、腕組みをして考えていると、咲良も瑞樹も「待て」をされた子犬のように、私の顔をじーーーっと見つめている。
可愛い、可愛いのだが、少しは自分で何とかしようと言う気がないのか?
「咲良、瑞樹・・・・少しは何か思いつきましたか?」
「いいえ。全然♪」
子犬たちはいつものようにユニゾンで応える。
私は大きなため息を吐くと、まず咲良の草稿に手を付ける。
それなりに咲良の可愛さと、芯のしっかりしたところをアピールしなければならない。
「あ・・・そうだ・・・・」
私はふと、良いことを思いついた。
「咲良・・・・英語が得意ですよね?」
「はい。一応帰国子女ですもん」
これだ!!これを使わずしてどうする。
ということで、咲良の原稿は半分日本語、半分英語でのスピーチにしよう。
学生のほとんどの生徒が、英語のスピーチを理解できないだろうが、かっこよく映るに違いない。
日本人というのは英語に弱いのだ。
「咲良、私が日本語で草稿を書きます。後半半分はそれを英語でスピーチしてください」
「えーーー・・・・そんなんで大丈夫ですか?」
「大丈夫。スピーチの際はきりりと凛とした態度で・・・・分かりましたね?」
私が咲良の目を見つめて言い切ると、咲良は大きく頷いてくれた。
「物分りの良い子は好きですよ・・・」
さて・・・次は瑞樹だ。
瑞樹の売りっていったいなんだ????
普段人前に出るのを嫌い、いつも前髪をたらして眼鏡をかけ、可愛い容貌を隠している為、学園で瑞樹のファンは少ない。
咲良とペアになってからは密かに人気が上がってきているが、まだまだ足りない。
しっかりしたところをアピールするよりも、庇護欲を掻きたてる演出が必要か?
「瑞樹・・・・当日は眼鏡を外して、前髪を上げてください。そしてこの私が書いた草稿をしどろもどろに読んで、終わりには涙を浮かべて・・・・それでも頑張りますからお願いします、みたいな演技をしてください」
「えー・・・・なにそれ・・・・」
私の提案に瑞樹が頬を膨らませた。
「いいですか?瑞樹が可愛らしく、涙を浮かべてお願いしたら、野獣どものハートを射止める事間違いなしです」
「俺だけ駄目人間みたいじゃないですか・・・・」
瑞樹は不満顔で呟いた。
しかし、これしか手はない。
瑞樹が嫌がろうと、やるしかないのだ。
「どんな汚い手を使ってでも当選してください。いいですね」
私が強く言うと、瑞樹は渋々頷いてくれた。
まぁ、私に草稿を頼んだのが悪かったということだ。
この私の作戦が上手くいくか・・・・当日が楽しみになってきた。