2004年 9月 28日(火)

恐るべし・・・小娘パワー

 本当に、私達は世間の女子高校生のパワーを舐めきっていたらしい。
 あの後携帯は一度切られた。
 とりあえず、慎吾・咲良・白雪の3人は寮で待機という事にして、今現在・・・寮の外で様子を伺っている隼人からの連絡待ちだった。
 
 私達三人が頭を寄せて考えている側で、瑞樹がおろおろしている。
 「瑞樹、落ち着きなさい」
 あまり強い口調にならない様に心がけて注意したのだが、瑞樹は今にも泣き出しそうだ。
 「だって・・・天音先輩・・・。女の子って、本当に何を考えているのか分からないんですよ?柚ちゃんだって・・・何を考えているのか分からないし。甘く見てたら駄目なんです!こっちがやられるんですよぅ〜」
 なるほど。瑞樹の言葉は実感に溢れていた。
 確かに私もそう感じる時がある。その相手はおばあさまだったり、野乃香だったりするのだが。
 おばあさまは何を考えておられるのやら、私達の学園のイベントごとの写真を何故か大量に所蔵していらっしゃる。野乃香に至っては・・・あの、婚約騒動だ。
 最終的に押し切られてしまったのは私の方だから、なべて世の「女」という生き物は侮ってはいけないのかも知れない。


 再び、直哉の携帯が鳴った。
 
 『兄貴!やべぇ!絶対、こっちに来んなよっ!』
 「うわっ!」
 直哉が耳を押さえてしまった。それだけ隼人の声が大きかったのだ。その声は、離れている私や雪紀にまで聞こえてきて何事かと顔を見合わせる。

 『いいか!マジだぞ?間違っても、こっちに来るなんて考えるなよっ!あいつら、あいつら!兄貴達が載ってる白鳳のアルバム持って大騒ぎしてやがるっ!』

 隼人の言葉に、私達全員の背筋を冷たい汗が流れた。

 『今から、実況生中継だ・・・よく、聞けよ?』

 
 「うわっ、マジ?白鳳の生徒会っていい男揃いじゃん!」
 「でしょ〜」
 「昨日さぁ、一人捕まえて・・・アルバムGETしたんだよ〜。私、偉い?」
 「偉い!」
 「でもさぁ・・・こっちの、小さいのって可愛いけど・・・ちょっとさぁ」
 「えー?一緒に歩くのには良くない?何かペットみたいで!」
 「あっ、でも私〜、こっちの男見たことが有る気がする。ほら、いつも遊びに行くクラブでさ〜」
 「かなぁ?あっちのがもっといい男じゃない〜?こんなに真面目そうじゃないもん」
 「でも・・・マジでいい男ばっかり!桜庭も格好いいし、絶対GETだよね!」


 携帯越しにも、小娘達の姦しい声が鮮明に聞こえてきた。
 これは・・・慎吾だけじゃなく、私達全員が狙われてしまったと言うことなのか?