2004年 9月 29日(水)

緊急会談

恐るべし、女子高校生。
わずか一瞬にして、私達を震え上がらせてしまうとは。


「どうするんだ?雪紀・・・・・」
隼人からの電話を切った直哉が、深い深い・・・それは深いため息を一つ。
「どうしろと、言うんだ」
返す雪紀の方も茫然自失と言ったところか。
電話の向こうで、思い切りよく女子高校生に叫ばれていた二人だ。多少ブルーになっても仕方がないだろう。
夜遊びで女の子たちに騒がれるのと、制服姿の学生としての自分達が騒がれるというのは、どうやら雪紀と直哉にとって全く相容れないものらしい。
当然と言えば当然か。
ふふふ・・・私は慎吾に聞いて知っているのだ、先日の雪紀と直哉を襲った不幸を。
ホテルの一件で、祥太郎先生と咲良のご機嫌を損ねてしまったらしいからな。さぞやご機嫌取りは大変だった事だろう。
タイミング良く?女子高校生になんて騒がれたくないに決まっている。




そういえば、あの小娘たちは私の名前は呼んでなかったな。
アルバムを見てと言う事は、去年の3年生が卒業した時のものだろうか。基本的に在校生は写真を載せてはいないが、私達は生徒会役員だったので載ってしまったのだ。
思い出してみればあの頃の私はまだ、髪は長かった。
なるほど・・・・・小娘たちは「長髪」の私には興味を示さなかったという事か。
基本的に彼女らの目は、自分立ち寄り美しいものは、認識しない目だろう。そうでなければ、この私の美貌に気が付かない筈がない。
ほんの少しだけ、先ほど騒がれなかった事が・・・私は面白くなかった。
雪紀や直哉に負けたみたいで嫌なのだ。

そうだ・・・・・慎吾の「彼女」の振りをして、小娘達をからかってやったら楽しいかもしれない。


あの騒ぎの近くに居て、隼人が騒がれなかったのはどうしてだ?・・・・・アルバムにに載っていないからか!
それで隼人が近くに居ても騒がれなかったのか。
大方、寮生の友人でも待っていると思われたのだろう。

・・・・・ならば、白雪は寮を出て来れるのでは?

私の明晰な頭脳は閃いた。

「雪紀、直哉。とりあえず、白雪だけでもここへ来て貰いましょう。隼人も呼んで、作戦会議です」
「しかし、天音」
「寮の外にはハイエナがいるんだぞ?」
ハイエナとは・・・これはまた、酷い言い様だ。
「大丈夫ですよ、隼人も白雪もアルバムに写真が載っていませんから」
それに今、隼人や白雪を見ても彼女達の食指は動かないだろう。アルバムの中の雪紀と隼人たちに夢中になっているんだから。

「呼んでどうするんだ。咲良と慎吾は?」
「そうだぞ、俺達が寮まで迎えに行く訳にもいかないだろうが」
「だから・・・・・とにかく今から、それを相談するのでしょう。直哉、すぐに隼人と白雪をここへ呼んでくださいね」