| 2005年 2月 17日(木) |
忘れていた。
そう言えば、バレンタインの騒ぎで忘れていたが・・・昨日から私たちは試験の真っ最中だったのではないだろうか。
もちろん私はとても順調に試験をこなしてはいる。
あの慎吾も今回に限っては自発的に試験勉強をしていたし。
珍しい事もあるものだとは思ったが、やはりもうすぐ大学進学を控えて、慎吾も少しは考えを変えたと思っていいのだろうか。
確かにここしばらく、突然慎吾は大人びてしまった気がする。
・・・・・・いい事だとはおもうが、何だか少し・・・寂しい気がするのはどうしてか。
おや、直哉だ。
あの顔から判断するに、今日の試験も会心の出来だったのだろうな。
相当機嫌が良いのか、鼻歌まで歌っているぞ。
・・・・・・・直哉は音痴ではないから、まだ許せるが。
これが雪紀だったりしたら大笑いするな、間違いなく。あいつの音痴は本当に凄いから。
天は雪紀に二物も三物も与えはしたがこと「音楽」の才能だけは授けなかったみたいだ。
あ、いや。
この書き方では語弊があるな。
「音楽」ではなくあくまでも「歌」の才能だった。
「よう、天音」
そんな事を考えながら直哉を見ていたら、私に気が付いた直哉が片手を上げた。
「直哉、随分とご機嫌じゃないですか。その様子だと今日の試験も随分いい出来だったのではないですか?」
「まあな。あんなもんだろ」
「ふふふ、ご謙遜を」
私の言葉に直哉がにやりと笑った。
何だかこんな風に会話をしているとまるで時代劇の中の悪代官の会話みたいだ。
「どうですか?雪紀には勝てそうですか」
「それは、分からないな。あいつも相当自身あるみたいだし」
「ふーん、そうですか。私としては直哉が勝った方が面白いのですけれどね」
「・・・・・・・・天音まで俺たちで遊ぶなよな」
おや、という事は。
直哉は他にも誰かに同様の事で遊ばれているという事ですか?
「まぁ、結果を見てという事で楽しみにしていますよ」
「ああ」
「あ、そう言えば。祥太郎先生からのチョコは如何でしたか?」
そう聞いた途端、直哉がうっと言葉に詰まった。
「さぞや美味しかった事でしょうね」
「・・・・・・・・・・ああ、まぁ」
「慎吾も飛び上がって喜んでいましたよ。ホワイトデーには丁寧にお返しをして差し上げますから、どうぞその旨、伝えておいて下さいね?」
そう言ってやれば、直哉は金魚みたいに口をぱくぱくしているだけだ。
本当に祥太郎先生のお陰で、慎吾は大騒ぎだったのです。
この位の意趣返しは許される筈です。
それにしても直哉のチョコにまで、あのとんでもない物が入っていたとは。
そう言うところは変に「公平」なあたり、祥太郎先生はおもしろい。
さぁ、明日で試験は最後です。
来週の試験結果を楽しみに、私も復習に勤しむ事にしましょう。