2005年 2月 22日(火)

結果は?

さて、生徒会室を覗いて見ると予想通り全員が揃っていた。

「皆さん、おはようございます」

そう声をかけて生徒会室に入ると、子犬達が元気におはようございます!と返してくる。
以前は桜と瑞樹だけだったが、最近は白雪もそこに加わっているので華やかさもひとしおだ。
まさに白鳳の誇る綺麗どころ・・・・・・・と言うより「可愛い系」のそろい踏みだ。
これも私と言う人間の、人徳の成せる業。
・・・・・・・・なんて、天狗になったりはしませんよ?私は。

「おはようさん、天音〜。ここにおったら絶対に天音に会える思うてたんや〜」

そして大きな犬がもう一匹。
尻尾をちぎれんばかりに振って、私に懐いてくる。
どし、と背中から圧し掛かられるようにして甘えられては私の体が持たないと言うのに、この駄犬め!

「し、慎吾・・・・・苦しいじゃないですか!」
「ほんなつれないこと言わんと〜」
「本当に苦しいんですって!」
「ええやん〜」

良くない!と言おうとしても背中から圧迫されて、上手く声が出せない。

「おい、慎吾。その位にしておけ。ここで殺人は勘弁してくれよ」
咲良が困るからな、と雪紀は全く見当違いな助け舟を出してきた。

「ええ〜!なんやのん、せっかく俺が愛しい愛しい天音に会えた喜びを表現しとるのに!」
「・・・・・・・・随分と間違った表現方法だと思うが」
「ほか?」

慎吾はばりばりと頭をかいて、ようやく私の背中から剥がれてくれた。
まったく本当にこの駄犬は私を殺す気ですか。
雪紀のあんな説明で納得するくらいなら最初から圧し掛かるんじゃない!


「天音さん、大丈夫でしたか?」

私が落ち着いた頃合を見計らって、咲良がお茶を瑞樹がお茶菓子を差し出してくれた。

「ええ、お見苦しい所を見せてしまいました」

落ち着こうと、出してもらったお茶を一口飲む。

「それにしてもこんな風に全員が揃うのって、最近なかったですね。ねぇ瑞樹?」
「うんうん!やっぱり皆が揃うのはいいね!」

何やら楽しそうな二人に、見ている私もつい笑顔になる。
・・・・・・・・おや、直哉は一人ご機嫌ななめか?何やら考え事でもしているのか、眉間に皺が寄っているではないか。



「あれ?何で皆ここに揃ってんの?」

大きな音を立ててドアが開いたと思ったら、隼人が顔を覗かせている。
すっかり隼人の存在を忘れてしまっていた。
どうやら咲良や瑞樹も同じ気持ちらしく、え?と顔を見合わせている。

「あ、兄貴お待たせ。結果張り出してあったから見てきたぜ?」

その隼人の声に、直哉が素早く反応する。
雪紀も一瞬だけ緊張したようだ。クールさを装ってはいても私には分かるのだ。
伊達に長い付き合いをしている訳ではないのだ。

「ほら、ちゃんと画像撮って来たぜ」

隼人はいそいそと携帯電話を直哉へ差し出した。
私はすかさずそれを脇から掻っ攫う事にした。

「ちょっとお貸しなさい!」
「わっ、何すんだよ!天音さん、返せっ!」
「ええ、やかましい!私だって見たいんです!先に見せてくれても罰は当たらないでしょう!」

きぃっ、と喚いて取り上げた携帯を覗き込んだ。

・・・・・・・・・・・・・・?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

何で首位が2人?
雪紀と直哉の名前が並んで、首位の所にかかれているのはどうしてだ?

「もういい加減に返せよ!」
「あっ、隼人!」
「じゃーん、兄貴と雪紀さんは同点で二人仲良く首位でした」

きょとんと雪紀と直哉が顔を見合わせた。
そして盛大に吹き出したかと思うと、お互いに肩をばんばん叩いたり拳骨をぶつけたりと派手に喜んでいるぞ。

「ま、こんなもんだろ」
「そうだな。俺もそこそこ必死にやったんだがな」

笑いの発作が治まったのか、今度は変に納得している。
しかし、同点で首位が二人とは考えなかったな。
まぁこいつらならありえない話でもないか。
だがこの結果では、直哉が雪紀に「勝った」とは言いがたいのではないだろうか?
卒業式の企みは、どうする気なのだ・・・直哉。