| 2005年 2月 28日(月) |
締まりの無い・・・!
まったく、鬱陶しい。
鬱陶しいこと、この上ない。
大きな慎吾が私の華奢な背中にべったりと張り付いているのが、鬱陶しくてたまらない。
おまけにここは生徒会室だ。
何なんだ、この妙に「まったり」とした空気は!
慎吾が私に張り付いていても、誰も何も気にしない。
いや、気にしないどころか・・・咲良も瑞樹もそのダレ切った態度は何なんだ!と。
・・・・・・・・・脳ミソ筋肉の集大成、体育教師が見たのならば竹刀でも振り回しそうな光景だな。
まぁ我が白鳳に、そんな阿呆な教師はいないが。
本当にどいつもこいつも、だらだらと・・・理由に心当たりがあるから、尚の事腹立たしい。
そして私のこのだるい体とどんよりした気分も、まさにその「心当たり」のせいなのだが。
原因は昨日の直哉の行動だ。
あんな風に露骨に祥太郎先生との関係を暴露されてしまえば・・・つまり、その。
煽られない方がおかしいだろう。
最ものっぴきならないほどに煽られていたのは、雪紀と慎吾くらいだと思うが。
私も咲良もいい迷惑だ。
つまり、だ。
『他人の情事』に思い切り良く、雪紀と慎吾がその気になってしまったという事だ。
私は道々、まるで発情期の犬の様に尻尾を振る慎吾をまずは家に連れ帰るのに苦労した。
この馬鹿はまぁ・・・下手をしたらその辺で押し倒されるのではないか、と私が思ってしまうほどに。
・・・・・・・・・・・鼻息が荒かったのだ。
そしてやっとの事で家に連れ帰ったが、おばあさまと母が近場の温泉に出かけられて不在なのを良い事に。
朝方だぞ?朝方!!
やっと寝かせてもらえたのは、東の空が白みかけた頃だった。
ま、咲良の方も似たり寄ったりなのだろうな。
直哉のマンションの駐車場に止めてあった雪紀のバイクであっという間に「お持ち帰り」されていたからな。
さぞや、その後は。第一、雪紀は今、佐伯氏と喧嘩中らしいしな。
ストレスも堪っているだろうに、直哉にああも見せ付けられては・・・黙って引き下がる訳がない。
本当に変な所で張り合うものだな。
あぁ・・・咲良。可哀想にそんなに眠たそうな、顔をして。
おや?
「ちょっと、咲良・・・こちらへいらっしゃい」
私は自分が動くのが億劫だったので、会長の椅子にへたり込んでいる咲良を手招きしてみる。
「・・・・・なんですか〜」
心なしかよたよたしながら、咲良が私の元へとやってくる。
「あなた・・・ここ、どうしました?何だか虫にさされた・・・」
制服の襟元から、何やら薄赤いものが咲良の喉に見えて。
私はそれを指先で突こうとして・・・。
「やっ、そ!そのっ!!何でもないです!!!」
「――――――――!」
真っ赤になって、襟のホックを止める咲良に釣られて私まで真っ赤になってしまったではないか。
雪紀の奴。
何もこんな所にまでがっつりマーキングしなくとも、誰も咲良を取ったりはしないと言うのに!
あんなにキスマークを付けられたら、体育の時に咲良が困るだろうに。
そしてふと、ソファーにごろごろしていた瑞樹を見やれば。
こちらも咲良同様に真っ赤になってあたふたと襟元を直しているではないか。
・・・・・・まったく、あの場にカノンは居なかったのに・・・瑞樹の方が、盛りが付いてしまったようだな。
そして私が深く溜息を一つ付いたその時。
諸悪の根源が二人揃ってやって来た。
「何だ?お前達・・・・・・」
「朝なのに、見事にダレ切ってるな」
はっはっは!
俺達は気分爽快だ!と言いたそうな・・・そのすっきりとした雪紀と直哉の顔が、ムカついた。
そりゃぁ、あなたたちはいいでしょうけれどね。
すっきりもしてるだろう!
・・・・・・・・・・あれ?祥太郎先生の姿を、今日はまだ見ていないぞ?