2013年 6月 1日(土) 
STACIA DOMO

stacia domo(スタツイア ドーモ)、エスペラント語で「駅」のこと。
英語のステーションよりも言葉の響きがいいので好きだ。
「ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく(石川啄木)」
きょうの金沢駅は「百万石まつり」のパレードがあるので近隣近在の人達で大賑わいだった。
独りで出かけた私は、何故かその雑踏の中で言い尽くせないほどの孤独感に襲われた。
金沢は、やっぱり大都会だ。
これだけたくさんの人がいると言うのに誰ひとり、私を知る者がいない。
誰ひとり、声をかけられる人もいない…。
思わず妻子も失って故郷も捨てて大都会に流れ流れて来た哀れな初老の男に、なりきってしまった。
そんな時、行き交う人の中に、ふと自分の生まれた匂いのする言葉が入ってきたとき、やっと我に帰るのだった。
パレードは延々と続いた。
楽しさよりも、わびしさの方が強く「早く家にかえりたい!」と思った。
久々の電車での小さな旅だった。